2006年YOMIKO入社。新卒採用業務をメインに、選考の全体設計・運用・選考計画、内定後の内定者教育およびフォローを担っているほか、人事業務(人事異動、契約、年間行事の運用など)と評価業務(評価の運用、評価システム運用など)にも携わる。
RECRUITMENT
Published on 2024/11/15
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加藤 詠子Eiko Kato
株式会社読売広告社
グループ人事局人事部
2006年YOMIKO入社。新卒採用業務をメインに、選考の全体設計・運用・選考計画、内定後の内定者教育およびフォローを担っているほか、人事業務(人事異動、契約、年間行事の運用など)と評価業務(評価の運用、評価システム運用など)にも携わる。
1929年に創業し、100年近い歴史を持つ読売広告社は、「逆転劇であふれる世の中に。」をグループパーパスとして掲げ、広範なクライアントに広告ソリューションを提供しています。近年では「オールフロント」というスローガンを掲げ、全社員が部門を超えて前線に立ち、企業としての成長をさらに加速させています。このスローガンに基づき、採用の求める人物像も刷新し、適性検査を中核に据えた採用戦略を展開しています。今回は、人事部の加藤様に、その背景や意図、そして効果についてお話を伺いました。
HR AGEに再びご出演いただき、誠にありがとうございます。改めて、貴社の事業内容や現在注力している取り組みについて教えてください。
読売広告社は、1929年に創業した広告会社です。2003年には博報堂、大広との経営統合により、持株会社直下の事業会社として、多岐にわたるクライアントに広告ソリューションを提供しています。「逆転劇であふれる世の中に。」をグループパーパスに掲げ、ビジネスの創生に取り組んでいます。またクライアントがデジタルを活用した新たな挑戦に取り組めるよう、自社開発のデジタルソリューションを提供しています。また、サステナビリティ活動の一環として、昨年度には男性社員の育児休業取得率100%を達成し、さらにえるぼし認定で2つ星を取得するなど、社内の多様性と働き方改革を積極的に推進しています。
幅広いクライアントとお取引がある中で、新卒採用におけるポリシーについて教えてください。
当社は、近年「オールフロント」という新たなスローガンを掲げました。このスローガンは「全社員が前線に立って仕事に臨む」という姿勢を表しており、営業部門に限らず、マーケティングやクリエイティブ、管理部門にもその精神が浸透しています。この考えに基づき、2026年採用から新卒採用の求める人物像を刷新しました。具体的には、「想う」「挑む」「やり遂げる」の3つの意識を重視しています。
3つの求める人物像には、どのような意味が込められているのでしょうか?
まず「想う」は、クライアントと、その先にいる生活者のことを深く考え、彼らのために行動する姿勢を指しています。「挑む」は、自分自身が前に立ち、常識にとらわれず、新たな挑戦に果敢に挑む姿勢を表しています。そして「やり遂げる」は、異なる立場の人々と協力しながら、責任を持って最後までやり遂げる姿勢を意味しています。これらの人物像は、学生にとって分かりやすく言語化したものであり、さらに応募者の行動特性をより正確に把握するために、コンピテンシー適性検査を含む適性検査を導入し、採用の精度を高めています。
2026シーズンの採用から、コンピテンシー適性検査の導入をきっかけに採用施策を見直されたとのことですが、その背景や狙いについてお聞かせください。
新卒採用では、提出書類やグループディスカッション、面接を通じて、学生を多角的に理解しています。特に、エントリーシートを詳細に分析し、グループディスカッションでは学生の「素の姿」に焦点を当てています。面接では、応募者一人ひとりと対話しながら、その人となりを総合的に評価しています。
しかし、これまでの面接では、応募者のパーソナリティや行動傾向を面接官の印象に基づいて評価していましたが、面接官の経験やスキルにより見極め方に差が生じ、「本当に学生の本質を捉えられているのか」という課題が残っていました。そこで、より正確に学生の本質や潜在能力を見極めるため、「人の目」に頼るだけでは難しい部分を補完する手段として、適性検査の導入を決定しました。特に、求める人物像に合致した人材を的確に見極めるため、コンピテンシー適性検査を用いることが、全体の評価を統一するための重要な要素となりました。この検査の導入によって、学生評価の客観性がさらに高まりました。
コンピテンシー適性検査をどのように活用されていますか?
面接で積極的に活用しています。コンピテンシー適性検査は、成果を上げるための能力を数値で測定するもので、応募者の行動特性を客観的に評価するためのデータとして利用しています。検査結果をもとに、面接では具体的な質問を通じて応募者の特性を掘り下げ、求める人物像に合致しているかを評価しています。
適性検査の導入後、効果はどのように感じられていますか?
当社を志望する学生は「考えることが好き」という傾向があり、これはクライアントの課題解決に向けた施策立案において重要な資質です。しかし、考えることだけではなく、実際に行動に移す力も求められており、それが「オールフロント」の理念や新たに掲げた「求める人物像」に繋がっています。
コンピテンシー適性検査の導入以前は、選考の過程で「行動に移せる力を見極めるのが難しい」という課題がありました。しかし、客観的なデータが加わったことで、応募者一人ひとりの行動特性をより精緻に評価できるようになり、採用プロセスの精度も向上していると感じています。
近年、内定後の人事面談でも適性検査を活用されていると伺いました。
選考過程で学生と対話を重ねる中で、私たち採用担当者は個々のパーソナリティに一定の印象を持ちます。適性検査の結果とその印象を照らし合わせながら人事面談に臨み、学生の本質的な能力を見極めています。このプロセスを通じて、入社後の育成計画もより適切に立てられることを期待しています。
適性検査は候補者を理解するための一つの指標に過ぎませんが、面接においてはそのデータを基に具体的な質問を準備し、候補者の特性を深掘りしています。その結果、数値だけでは見えない人間性や価値観を引き出し、総合的な評価を行っています。例えば、判断力を測定するデータを活用し、候補者が直面した困難な問題にどう対処したのかを問うことで、より本質的な特性を評価しています。このような手法により、複数の面接官による評価の一貫性が保たれ、主観的なバイアスを排除した客観的な評価が可能になっています。
適性検査を採用活動の中核に据えることで、どのような長期的な効果を期待されていますか?
適性検査の最大のメリットは、採用後のパフォーマンスを予測するための重要な情報が得られることです。コンピテンシーや判断力に基づくデータを活用することで、候補者が入社後どのように成長し、どのような役割を果たすかを予測でき、入社後の育成計画やキャリアパス設計がより精緻化されます。これにより、社員が持つ能力を最大限に発揮できる環境を整えることが可能です。
さらに、これまで蓄積された適性検査データを分析することで、長期的に活躍している社員の特性を把握し、今後の採用活動に反映させることができます。このデータは採用だけでなく、育成や配置の最適化にも役立ち、組織全体の成長を支える要素となっています。
今後の採用活動における展望をお聞かせください。
適性検査を継続して活用し、より精度の高い採用を目指していきます。広告業界は急速に変化しており、これに対応できる柔軟で創造的な人材が求められます。私たちは、こうした自律的な行動力とクリエイティブな発想を持つ人材を見極め、彼らが力を発揮できる環境を整えることで、企業の成長をさらに加速させたいと考えています。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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