1992年入社。お客さまサービス部門、姫路支社にて管理職を経験し、「健康経営」の重要性を感じ、自ら希望して2022年より現職に従事。一人ひとりが活き活きと働く活気ある会社を目指して健康経営を推進中。
※所属・役職は取材当時のものです
𠮷田 浩子Hiroko Yoshida
大樹生命保険株式会社
人事部 健康経営推進グループ グループ長
1992年入社。お客さまサービス部門、姫路支社にて管理職を経験し、「健康経営」の重要性を感じ、自ら希望して2022年より現職に従事。一人ひとりが活き活きと働く活気ある会社を目指して健康経営を推進中。
※所属・役職は取材当時のものです
1927年の創業以来、お客さま第一の精神により生命保険業界を牽引してきた大樹生命保険株式会社。同社は全社横断的にプロジェクトを推進して相互に高め合う風土を醸成する「“人の大樹”プロジェクト」を立ち上げ、健康経営推進グループ主導のもと、健康経営の取り組みを進めてきました。保険業界を代表する企業として、社会的責任を担う大樹生命の健康増進に向けた活動について伺いました。
まずは、貴社の事業概要や特徴についてお聞かせください。
当社は1927年創業の生命保険会社で、まもなく創業100年周年を迎えます。初代社長の團琢磨が創業時に掲げた経営哲学「いつの時代も、お客さまのためにあれ」を基本姿勢としており、創業から現在に至るまで、すべての職員へと受け継がれています。この基本姿勢により、常に「お客さま第一」の精神を大切にし、7,300名以上の営業職と3,900名を超える内勤の職員が共に働き、生命保険及び損害保険を全国のお客さまに向けて販売しています。
健康経営に対するお考えや取り組みについてご紹介いただけますか。
2020年、「職員一人ひとりの成長を通じて、お客さま満足度を向上させ、企業価値の持続的成長につなげていく」ことを目的に、「“人の大樹”プロジェクト」を立ち上げました。「上司と部下の関わり強化」「成長のための主体的な学びの支援」「成長のための土台作り」の3つを柱とし、全社横断的にプロジェクトを推進して相互に高め合う風土を醸成しています。この取り組みの土台となっているのが「健康経営」で、笑顔あふれる職場であり続けることが大事だと考え、各種施策を推進しています。
𠮷田様が在籍する健康経営推進グループではどのような体制を取り、どのような施策を推進されているのでしょうか。
健康経営推進グループには医療従事者9名、職員5名が在籍し、全国の拠点に勤務する社員に向けて、健康増進のための活動を行っています。医療従事者が多く在籍しているのは社内診療所を併設しているからで、相談窓口を設けて産業医と看護師が職員の健康に関わる悩みや相談に応じるなど、心とカラダの両面で相談体制を整備しています。また、社内で相談しづらい職員に配慮し、社外にも相談窓口も設置しています。このほか、医療従事者が健康増進に関する社内向け資料の作成・提供し、ストレッチ講座の開講なども行っています。
貴社は女性職員が多く在籍していると聞いています。女性職員の健康管理に関して、どのような取り組みを進めていらっしゃいますか。
女性職員が全職員の83%と多くを占めているため、女性の健康管理については特に注力しています。代表する取り組みのひとつが、2019年度から実施しているセミナーの開催です。さらに、2021年度からは管理職向けに「女性の健康とキャリア」をテーマにワークショップを開催。これまで、延べ235名の管理職が参加しており、「キャリア面談で、女性の健康サイクルを考えた対話を行う重要性を感じた」などの感想をもらっています。職員に向けても情報発信を行っており、2023年度には社内で女性の健康課題に関するオリジナル講習動画を制作。これまでの当社の取り組みを紹介しているほか、女性のライフサイクルと健康、月経、更年期、不妊治療をテーマに取り上げてきました。例えば月経の辛さに周囲が協力できることとして、「休憩を促す声掛け」や「60分以内の打ち合わせ」などの具体的な情報を掲載しています。
職員からの感想としては、「不妊治療の心理的、時間的負担など、踏み込んだ内容が嬉しかった」「男性としても知っておくべき内容であり、今後に活かしたい」など反響が大きく、大きな効果が出ていると感じています。
ストレスチェックの活用についてもお聞かせいただけますか。
ストレスチェックは、職員が自分自身のストレスへの気づきにつながると同時に、会社にとっても職員の声を収集する手段の一つと考えており、全職員に対して受検を促しています。近年はメンタルヘルスへの関心の高まりと共に、受講率が向上しています。
例えばラインケア研修は全国の拠点の責任者を対象に動画視聴形式で実施しており、2023年度は受講対象者を直属上司にまで拡大しました。内容も「部下の異変に気づき、対処するための見る・聞く・つなぐ」とシンプルな内容に変更しています。受講対象となる直属上司は約1,100名で、96.8%が受講し、97.8%の職員から「気づきがあった」という回答をもらっています。また、ストレスチェックの結果を分析し、「総合健康リスク」または「上司からのサポート」が低位な部署を対象に、選抜ラインケア研修を行っています。全国に対象となる部署があるため、オンラインで実施。2023年度は「職場でのコミュニケーション」や「管理職自身のメンタルヘルスケア」も受講テーマに含めました。
結果を詳細に分析したうえで、職場環境の改善を進めていらっしゃるのですね。
選抜ラインケア研修は受講後のアンケートで90%が「今後の仕事に活用できる内容だった」と回答しており、「意識はしていたものの、実行に移せていなかったことに気づいた」「具体的な事例が多く、わかりやすい研修だった」「自分自身も健全な状態に保つことが重要だと感じた」などの声が届いています。これら管理職としての気づきは、「職場環境の大きな改善の一歩」につながると考えています。そこで研修後、各部署の責任者と共に部署内の状況を振り返り、アクションベースの目標を提出してもらっています。
体の健康診断業務についても、婦人科検診の補助を行うなど、手厚く取り組まれているかと思います。心と体の健康管理に関する取り組みについてお聞かせください。
「心身共に健康に」というように心と体は一体です。そのため、健康診断とストレスチェックの結果を複合的に見ることができれば、状況を的確に判断する材料となります。当社が掲げる健康経営の目指す姿(戦略マップ)では、「心とカラダ」の健康の先に「生産性とエンゲージメントの向上」があり、企業価値向上につながると考えています。2024年度からヒューマネージ社の健康管理システム『HealthCore』を導入予定ですが、今後、当社の健康経営の推進には心とカラダの一元管理は必要なものだと考えています。
貴社は全国に拠点がありますが、全職員に健康管理に対する意識を浸透させるため、工夫してこられたことはありますか?
おっしゃる通り、当社は全国に63の支社と442の営業部・営業室があり、また「職員の年代が幅広い」という特徴があります。そのため、健康経営の推進にあたっては、各拠点に在籍する職員の状況を見ながら、適宜、必要な情報を周知していく活動が求められます。そこで、計300名の“人の大樹”プロジェクト推進委員を選任し、本社の健康経営推進グループと各拠点の“人の大樹”プロジェクト推進委員が連携を図りながら、所属単位で健康増進に向けた活動を強化しています。
健康増進に向けた取り組みが評価されて、「健康経営優良法人2024(大規模法人部門 ホワイト500)」の認定を受けたと聞いています。
ありがとうございます。健康管理に対する考え方や理念を各職場に浸透させる上では、所属長や“人の大樹”プロジェクト推進委員の協力・連携がとても大きいと感じています。彼らとの連携のもと、全国に勤務する職員一人ひとりが積極的に参加できる健康増進活動を推進しており、毎週水曜日の早帰りデーの日を「健康チャレンジデー」としているほか、ウォーキングアプリを活用したウォーキングイベントを実施。また、職場単位での取り組みの全社共有などを行ってきました。「健康経営優良法人2024 ホワイト500」の認定は、このような地道な施策を一つひとつ実践していった結果だと感じています。
最後に、健康経営に関する今後の目標についてお聞かせください。
冒頭でお話した通り、当社は人々の人生を長期に渡って保障する生命保険をはじめ、損害保険なども取り扱っており、「お客さまの健康を牽引する」という立場にいる保険業界を代表する企業として社会的責任を果たしていきたいと考えています。引き続き、心とカラダの双方から全職員の健康増進を図っていくほか、健康経営優良法人の認定を目指す企業様のお力にもなれたらと願っています。
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