2015年に新卒で入社。新規マーケティング部にて新聞広告等の制作やメディアバイイングを担当。その後、食品事業部でカタログ・ダイレクトメールの販促企画に携わる。2020年より現職。新卒採用・新人教育を経験し、現在はキャリア採用や人材開発を主に担当している。
RECRUITMENT
Published on 2023/11/24
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橋本 仁美Hitomi Hashimoto
株式会社世田谷自然食品
人事部 主任
2015年に新卒で入社。新規マーケティング部にて新聞広告等の制作やメディアバイイングを担当。その後、食品事業部でカタログ・ダイレクトメールの販促企画に携わる。2020年より現職。新卒採用・新人教育を経験し、現在はキャリア採用や人材開発を主に担当している。
山内 海人Kaito Yamauchi
株式会社世田谷自然食品
人事部
2020年に新卒で入社。新規マーケティング部にてテレビCMのメディアバイイングに携わったのち、2023年2月より現職。新卒採用および新人教育を担当している。
「ぐるぐるぐるぐるグルコサミン」のCMで日本中に親しまれている世田谷自然食品は、多彩な自然派商品で独自の地位を築く通販会社です。同社は商品企画力やマーケティング力を強みとし、社員の多くが入社1年目から企画職で活躍できる魅力がありますが、その事実はあまり知られていません。そこで同社が選んだのが、マッチングイベントや対面型インターンシップなどを通じて積極的に学生に情報提供する広報戦略。さらには大学にまで会いに行くという情熱的なフォローを行うことで、企画職にマッチした人材採用に成功しています。マーケティングに強い同社ならではの緻密な採用戦略について、人事部の橋本様・山内様にお話しいただきました。
まずは改めて、貴社の事業内容や特徴についてご紹介いただけますか。
橋本:
当社は健康食品、食品、化粧品という3ジャンルの商品を展開している通信販売の会社です。社名が示す通り、商品はいずれも自然派にこだわっており、高齢者をメインとしたお客様に、安心してお使いいただけるものを提供しています。ビジネスの特徴としては、店舗をもたずに通信販売のみで商品を流通している点が挙げられます。テレビ・新聞等のマスメディア広告のノウハウや、長年蓄積したデータに基づくデータマーケティングは当社の強みといえるでしょう。そのため、当社の社員の多くは入社後すぐに商品や販促・広告の企画のいずれかにに携わります。私も山内も、人事に異動する前は企画の仕事に携わっていました。
ほとんどの社員が入社後すぐに企画職に就くのは珍しいパターンですね。採用でも企画職にマッチした人材を求められているということでしょうか。
橋本:
その通りです。企画職に必要な資質として、私たちは次の3つがあると考えています。一つ目は、答えがない仕事に向けて仮説を立て、検証ができる「思考力」。二つ目は、積極的に新しい企画にトライできる「主体性」。三つ目は、先入観を捨てて柔軟な発想が取り入れられる「素直さ」です。
そうした企画人材とマッチングを図るために、採用で特に重視していることは何ですか?
橋本:
仕事内容をリアルに見せることですね。例えば当社は、コロナ禍でもインターンシップを対面で実施していました。開催にあたり多くの工夫が必要ではありましたが、対面でしっかりと当社の仕事を体験してもらうことで、企画職の仕事内容を具体的にイメージして欲しかったので、ここはこだわっていましたね。実際に現場で働く社員とリアルなコミュニケーションを取ることで、当社の社風ややりがいも伝わるので、学生側も自分に「向いている」「向いていない」の判断がつきやすかったのではないかと思います。
企画職に関心を持つ学生は多いと言われますし、貴社はCMなどを通して高い知名度があります。学生からの人気も高いのではないでしょうか。
山内:
確かに知名度は低くないと思うのですが、学生には馴染みのない高齢者向け商品を取り扱っているイメージが強いので、採用ブランドとしては決して強くないと感じます。しかし、多くの学生は企画職の仕事内容を知ると一気にイメージが変わり、高い志望度を持ってくださいます。就活中の私もまさにそのパターンでした。
貴社の仕事の知られざる魅力を学生に伝えるため、どのような施策に注力されていますか?
山内:
学生が来るのを待つのではなく、我々から積極的に会いに行くのが基本的な考え方です。最初の接点づくりの手法は、複数企業が参加する就活イベントに参加すること。特に、学生がディスカッションやグループワークを行い、それを我々が評価するというタイプのイベントでは、ワークの様子を見て企画職に適した学生に声をかけることができるので、マッチングに有効です。学生にはブースで当社の概要や仕事内容を説明し、興味を持って下さった方にはインターンシップにもご参加いただきます。
就活イベントでの接点づくりでは、どのような点に注意していますか?
山内:
企画職の仕事の魅力を中心にお伝えしています。例えば私の場合は1年目から年間で数億円という予算を使ったテレビCMの企画を任せてもらえたのですが、新入社員がそれほど大きな金額を扱い、企画を行うことができる会社は珍しいですよね。そういう話を聞くと、非常に興味を持ってくださる学生は多いです。私もこうしたイベントで初めて当社と出会ったのですが、「地味な会社」というイメージが180度変わりました。
橋本:
仕事の魅力をしっかり伝えることは、当社の魅力づけだけでなく、当社とのマッチングを深めるためでもあります。やはり、仕事そのものに興味を持って取り組める人は、入社後も長く活躍してくれるものですので。そのためにイベントでは人事だけでなく、現場社員からも仕事の話をしてもらっています。
イベントでつながった学生は、その後どのように選考につなげていくのですか?
山内:
選考前に、インターンシップに参加していただきます。インターンシップには広告企画と商品企画の2コースがあり、どちらも実際に社員が行っているのと同じ仕事内容を体験できます。1dayではありますが、会社説明にはほとんど時間を割かず、ほぼ一日かけて企画を考えてもらいます。社員からのアドバイスも最小限に抑え、学生たちに自由に考えてもらい、企画内容の発表に対するフィードバックも業務レベルで少し厳しめに行います。
インターンシップ参加者の反響はいかがですか?
山内:
「企画の楽しさと難しさがよくわかった」と毎回とても好評です。今年も想定より2倍以上の応募がきて、嬉しい限りです。対面式で、なおかつワークの時間がかなり長いので、リアルな就業体験ができたという声も多いですね。内定者のほとんどはインターンシップ参加者ですので、応募の動機付けにもつながっているようです。
素晴らしい成果ですね。その後の選考もマッチングを図る上で重要かと思いますが、どのような点に注力されていますか。
橋本:
一次面接から、個人面接を一時間程度かけて行っています。時間をかけて一人ひとりの人柄や興味関心、志向性などについて深掘りし、当社との適性を見極めることに注力しています。また、最終面接前にも面談を行い、応募者自身の就活軸と当社が本当にマッチングできているか、納得して入社できそうかどうかを確認します。やはり、ミスマッチしてしまうのがお互いにとって一番不幸ですし、この時間は大事にしていますね。この面談は選考ではなくキャリアカウンセリングに近いイメージですかね。
応募者一人ひとりに寄り添う、丁寧な選考です。内定後のフォローについてはいかがですか。
山内:
現在の採用マーケットは売り手市場ですので、他社の内定を断って当社を選んでいただくのは大変なことです。しかし、先ほど橋本も言っていたように、無理に当社に決めてもらい、後からミスマッチが起きることは、お互いにとって最も避けるべきこと。ですので、内定者には内定承諾の期日を設けず、最後までこまめにコミュニケーションをとりながら、学生の就活に伴走し続けています。私が就活をしていたときも、内定後3~4か月も待っていただいたのですが、当社の人事は最初の約束通り、決して私を急かすことはありませんでした。だからこそ、自分で決断を下し、前向きに入社できたのだと思います。
内定者に対するフォローは、具体的にはどのように行われるのですか?
山内:
一対一で話す機会をこまめに設けています。コロナ禍の一時期は中断していましたが、大学まで直接伺って話すことも珍しくありません。ときには採用担当者と人事責任者が二人で会いに行く場合さえあります。内定者には、入社を説得するのではなく、キャリアカウンセリングに近いアドバイスをするよう心がけています。学生の特徴を人事の目から客観的に伝えたり、「今あなたが受けている○○という会社だったら、あなたの良さをこういう風に発揮できるかもしれませんね」といった風にアドバイスをしたりします。内定者自身に自分のキャリアを考え、その上で当社を選んでもらえればいいな、と考えています。
それだけしっかり学生と関係を構築できていれば、入社後のミスマッチもなく活躍できそうですね。
橋本:
入社後も一年間は採用担当者が研修担当として教育にも関わっているのですが、入社前から信頼関係ができているおかげでうまく新人をフォローできていると思います。仕事面でギャップを感じたという声もほとんど聞きませんし、企画職に適性のある人を採用できていると感じます。
最後に、今後の採用活動に向けての目標をお聞かせください。
山内:
従来は関東在住の学生が入社するケースが多かったのですが、最近は関西圏など、全国からの応募が増えてきました。今後は関東以外の学生にも参加できるよう、本社だけでなく地方でも対面インターンシップを開催してみたいと考えています。もちろんオンライン化するのは簡単ですが、やはり仕事の魅力を100パーセント伝えるためには対面が一番。手間をかけてでも、対面で実現したいです。
橋本:
最近の応募者の中には、ご家族やご自身が当社の商品を使ってくださっていて、企画する側として当社に入社したい、と言ってくださる方も増えてきました。とても嬉しいことです。これまでは企画職とのマッチングを重視してきたのですが、今後は商品に興味を持ってくださる方とのマッチングも図っていければと思います。当社は若い社員が主力となって活躍しており、経営層も新卒採用は会社の未来をつくる大切なものと位置づけています。現状に満足せず、これからもブラッシュアップをつづけていきたいです。
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