2004年に新卒でタカノフーズ株式会社に入社後、埼玉・福岡・大阪・東京と、各エリアで16年間にわたって営業職を経験。2020年春、管理部門の人事に着任し、リーダーとして採用活動に携わる。
安西 弘敏Hiroyuki Anzai
タカノフーズ株式会社
管理部門 人事
2004年に新卒でタカノフーズ株式会社に入社後、埼玉・福岡・大阪・東京と、各エリアで16年間にわたって営業職を経験。2020年春、管理部門の人事に着任し、リーダーとして採用活動に携わる。
「おかめ納豆」で知られるタカノフーズ株式会社の創業は1932年。長きにわたり、納豆や豆腐の製造・販売を手がけています。現在では国内での業界シェアNo.1*を誇り、北海道から九州まで、各地に営業所を設置。募集職種も製造、営業、研究開発までさまざまですが、総合職の採用は茨城県水戸の本社で一括しておこない、各地に配属しています。今回お話を伺ったのは、2021採用から人事に着任された安西 弘敏様。初めての採用活動が新型コロナウイルスの流行という事態に襲われたなかでも、 “タカノフーズらしさ”を守った採用活動をおこなうべく、種々工夫されてきたといいます。環境の変化に惑わされず、自社の未来につなげていくための採用活動を経た、現在の想いを教えていただきました。
*インテージ SCI 納豆市場 2019年1月~12月 金額データ
安西様は、採用担当になる以前は長年営業職に従事されていたんですね。
はい。新卒入社後は16年間営業部門におり、実は採用担当になってまだ半年です。営業部門にいた時には、当然売り上げがミッションでありモチベーションでしたが、人事は数字を追うわけではないため、当初は戸惑いもありました。しかし今は、手探りではありながらも、「この先一緒に働く仲間の採用に携われる仕事」にやりがいを感じています。
貴社の経営理念についてお聞かせいただけますか。
当社では、「人づくり 健康づくり 食文化づくり」の3つを軸に事業活動をおこなっています。基幹事業となっている納豆や豆腐の製造・販売をはじめ、日々の食生活の中で「健康をつくる」、また「食文化を豊かにする」商品を提供するのが私たちの仕事です。そして同時に大切にしているのが、「立派な人間をつくり出す」こと。地域や社会の方々のお役に立つという使命を全うするため、成長を続けていきたいと考えています。
「人づくり」という点は、採用活動や育成にも強く反映されているのではないでしょうか。
そうですね。当社に入社いただく方には、入社後の研修を通じて各部署の業務内容を一通り学び、社内の部署の役割をしっかりと理解したうえで配属された部署での仕事に取り組んでもらいたいと思っています。そして将来的には、何事にも自らチャレンジできる『自律型人財』に成長していただきたい。そのために、当社が思い描く「人づくり」をともに目指せる人材を採用したいと考えていますので、その点は強く意識しています。
貴社にはさまざまな募集職種がありますが、選考活動はどのようにおこなっているのでしょうか。
2021採用は、基本的には「営業」「研究」「品質管理」「機電」という4つのフローに分けて選考しましたが、そもそも総合職としての採用です。入社後に見えてくるものもあると思いますので、総合職採用を活かして、職種をまたいだチャレンジにも意欲があるか、という点は確認しています。これは、先ほども申しあげた“人づくり”に通ずるところでもありますね。
実際に、私も営業部門を経験後、管理部門の人事として働いています。学生時代に学んだ専門性や現時点での関心も重要ですが、いろいろな変化に対応できる人材を求めています。
その他に、求める人材として重視している点はありますか?
当社には「人間関係はあたたかく、仕事関係は厳しく」という合言葉のようなものがあります。チームや組織として成果を出していくために、「一緒に仕事がしたいな」「この人と話していると楽しいな」、といった仕事プラスαのところは重要視しています。
関係構築のスキルやパーソナリティを大切にされているのですね。求める人材像は、選考活動の進め方にもあらわれているのでしょうか。
そうですね。たとえば面接では、さまざまな観点から見極めながらも、それ以上に人となりを重視しています。用意した答えというのも志望度を測るうえでは重要ですが、話が脱線した際に見えてくるような部分を知りたいですね。だからでしょうか、学生からは、「他の企業に比べて、あまり面接らしくない面接でした」といわれることも多いです。
仕事はひとりだけで進めるものではなく、チームプレーで成果を出していくもの。ですから、自然な会話の中で、応募者の空気感や人柄を確かめる場として面接を位置づけ、タカノフーズらしく組織力を発揮できる方に出会いたいと考えています。
採用チームの津田 昂太郎様、中川 美里様とともに
2021採用は、コロナ禍での採用活動となりました。オンラインによる説明会や選考はいかがでしたか。
当社はこれまで、オンラインを使った選考は一切経験がありませんでした。知見がまったくないなかで不安に思うこともありましたが、ツールを実際に取り入れてみると、遠方の方とも日程調整や移動コストを気にせずに接点を持てますし、考え方次第でより有効に使えることがわかりました。今後については状況を見ながらオンラインの使用頻度を判断していくことにはなりますが、新たな発見ができたと思います。
対面できないデメリットを、具体的にどのようにカバーされたのでしょうか?
例年、会社説明会は集合型でおこなってきましたが、今回はオンライン面接の前に個別で説明をおこなう、というやり方をとりました。面接前に30~40分の説明が入るので、当然、一人ひとりにかける時間は長くなります。それゆえ、時間的な面では厳しさもあったのですが、個別に時間や手間を割いたことで、対面でしか感じられない温度感や理解の促進などをカバーできたように感じました。
説明を個別で、というスタイルは、温かみや人柄を重視する貴社ならではの対応のように感じます。内定者へのフォローもオンラインでおこなわれているのでしょうか?
はい。今年はリアルで親睦を深められない代わりに、内定者専用マイページを活用して、それぞれの自己紹介を公開しました。自分の同期になる人たちにどのような人がいるのか、お互いの情報が届けられたことで、内定者の皆さんにも多少安心していただけたのではないかと思っています。今後も、ツールを活用してより深い自己紹介ができるようにしたり、オンラインでの懇親会を開催したりと、接点を重ねていきたいと考えています。
2022採用もこの影響は続きそうです。今後についてはどのようにお考えでしょうか。
たとえコロナ禍の中でも意識しているのは、「応募者の方々が少しでも不安を感じるような選考にはしない」を大前提にしようということです。当社の魅力や考えを、いかに学生の皆さんにお伝えするか。限られたツールや機会のなかでも、「接点を多く、深いものにしていく活動」にしていきたいと考えています。
2021採用の計画を立てた時には、当然ながら現在の状況については考えられていませんでした。緊急の対応が必要になり、オンラインに切り替えた部分や削らざるを得なかった部分もあります。2021採用での反省点をしっかりと活かし、さまざまなツールを取り入れながら、2022採用ではより多くの学生との接点を作っていきたいですね。
応募者コミュニケーションを深めるために、どのようにツールを使うかが今後の課題ということですね。
これまで実施してきたことや決まっているイベントをどうにか実施するのではなく、あくまでいかにコミュニケーションを深めるか、に焦点を定めた工夫をおこなっていきたいです。たとえば当社は、かねてから内定式というきっちりした形はとっておらず、工場で実際に商品が造られている現場を見たり、先輩社員との懇親会を開いたりすることで、内定者との関係を築いてきました。内定者にタカノフーズをより好きになってもらうこと、入社前の不安をなるべく解消してあげることを重要視しているからです。入社後、組織のなかで協働してお互いに成長していくことを目指すために、採用活動においても、コミュニケーションをより深めていく在り方を実践していきたいと考えています。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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