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Interview

早期に学生と接点を築き、一貫して丁寧なフォローを――。
「志望度アップ」を実現する中外製薬工業の高専採用戦略

RECRUITMENT

Published on 2026/02/20

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Profile

清水 智也Tomoya Shimizu

中外製薬工業株式会社
経営管理部人事G 高専採用担当

2023年12月、中途入社。前職は建設業で、約8年間にわたり人事担当を務め、労務管理や給与・賞与計算、人事企画など幅広い実務を経験。人事企画分野でのキャリアをさらに深めるため、中外製薬工業に転職。以来、高専生採用担当として、学生一人ひとりに寄り添う採用活動を実践している。

中外製薬工業株式会社は、中外製薬グループにおける「生産機能」を担っている会社です。バイオ医薬品から低・中分子医薬品まで、多様なモダリティの製造技術を持ち、治験薬から商用品まで一貫して生産できる点に強みがあります。新卒採用では、修士・学士採用に加えて高専採用にも力を入れており、製造現場の即戦力となる人材の獲得を進めています。今回は高専採用を担当する清水様に、「学生の志望度を高める採用戦略」について伺いました。

中外製薬グループの理念に共感し、主体的に動ける人財を求めて

まずは、貴社の事業内容や強みについて教えてください。

当社は中外製薬グループの製薬機能を担い、治験薬や医薬品の製造を専門に行っています。中外製薬の強みである「抗体医薬品」を生産する高度な技術とノウハウを有しており、宇都宮・浮間・藤枝の3工場を拠点に、世界に向けて多様なモダリティの医薬品を製造しており、中分子医薬品の製薬にも挑んでいます。グループ全体で「高速上市」や「複数同時開発」に取り組んでおり、技術移管の機会も多く、現場で生産技術を磨ける環境が整っています。

清水様は新卒採用の中でも「高専採用」をご担当だとうかがっています。高専採用ではどのような職種を募集しているのでしょうか。

高専新卒採用では、製造技術職、品質管理職、設備保全管理職などを中心に、生産の中核を担う幅広い職種を募集しています。修士・学士採用と高専採用で採用ルートを分けており、高専採用では本科生・専攻科生を対象とした「学校推薦」と、専攻科生のみを対象とした「自由応募」を用意しています。

新卒採用を進めるうえで、大切にしているお考えを教えてください。

当社は医薬品製造業の企業として、最終的なゴールは「高品質な医薬品を、一日でも早くそして確実に患者さんへ届けること」です。そのため、採用においてもコンプライアンスを重視し、公正で透明性の高い選考を徹底しています。人種・国籍・宗教などにかかわらず、「中外製薬グループのミッション・ビジョンに共鳴できるかどうか」を軸に判断しています。
また中外製薬工業として、「プロフェッショナル」「アトラクティブ」「リーダーシップ」の3つを、2030年のトップランナー像として掲げており、私たちと共に挑戦し、成長したいという意思をお持ちの方を求めています。同時に、「すべての革新は患者さんのために」という事業哲学に共感できる方に来ていただきたいと考えています。

特に高専生に期待されている資質やスキルはありますか。

高専生の一番の魅力は、実験や実習を通じて培われた「技術力」と、実務に直結する「専門性」だと考えています。医薬品製造の現場で即戦力として活躍していただくことが期待できますし、「身につけたスキルを早く社会で、そして実務に生かしたい」という志向を持つ方が多いと感じています。
そこで高専生の皆さんに期待する役割として、「純粋でガッツがある姿勢」「実験や実習の経験が豊富で、手を動かせる技術力」「医薬品製造に直結する専門性と高い実務志向」という3つの強みを活かした活躍を期待しています。

「魅力づけ」を重視し、丁寧なフォローで志望度を高める

高専採用では、本選考前にどのような採用施策を展開されているのでしょうか。

夏に工場にて実施する5日間のインターンシップを起点に、その前後で学校訪問の機会を設け、先生方や学生に直接情報をお届けしています。インターンシップ後は、インターンシップ参加者へのリテンション施策を進めると同時に、合同説明会への参加や工場でのオープン・カンパニーへとつなげ、最終的に推薦応募を経て選考本番へ進む、というのが年間のおおまかな流れです。

夏に実施しているインターンシップについて、詳しく教えていただけますか?

1日目はオリエンテーションおよび見学、2〜3日目には医薬品製造現場の見学だけでなく体験も実施しています。4日目は設備保全や生産計画など、医薬品製造を支える業務の見学・体験を行っています。最終日には参加者による発表と、管理職・先輩社員からのフィードバックを実施しています。
昨年度はインターンシップ参加者の約3割が選考へ進み、全員が内定を獲得しました。面接評価も総じて高く、「早い段階で高専生と接点を持つこと」が、その後の選考に良い影響を与えると実感しています。

今シーズンのインターンシップは、どのような工夫をされたのでしょうか。

今年は「製造現場で即戦力となれる、機電系の学生をより多く採用したい」という現場のニーズがあったため、機電系の学科を持つ高専を重点的に訪問しました。また、高専生向けの就職情報サイトを活用し、「機電系の学生を歓迎していること」を積極的にアピールしました。参加した本科生からは「機械を動かす仕事のイメージが具体的に持てた」という声を多くいただいています。

インターンシップ選考の不合格者や未応募者にもフォローメールを送っていると伺いました。その狙いについて教えてください。

フォローメールはインターンシップ後に配信し、母集団形成を目的に、個人面談の案内や個別説明会への誘導、当社の強みについてアピールしています。
高専生は真面目で勉強熱心、そして素直な方が多い一方で、修士・学士生と比べると就職活動の経験値が少なく、慣れていない傾向があります。また、本科生は学校推薦が基本で、原則一社しか受けられないというルールもあります。そのため、継続的に「魅力づけ」を行い、当社を選んでいただくための丁寧な働きかけが必要だと感じています。

インターンシップの前後に学校訪問をされているとのことですが、母集団形成の観点から重視しているポイントを教えてください。

主に当社への入社実績がある高専を中心に訪問し、就職担当の先生方と密な情報交換を行っています。特に推薦段階でのミスマッチを防ぐため、当社が求める人物像について丁寧なコミュニケーションを取ることを心がけています。
そして先生方には、各高専で開催される企業見学ツアーのプログラムの中に、当社工場を見学先の一つとしての組み込みを働きかけるとともに、授業の一環として製薬業界についての業界セミナーを開催できないか交渉するなど、学生が早期段階から当社の事業内容や職場環境を具体的にイメージできる機会の創出に努めています。
また、訪問先にインターンシップ参加者がいる場合は個別にアポイントを取り、さらに当社の理解を深めていただくとともに、就職活動全般の相談にも応じています。こうした継続的な関係構築により、学生の志望度が高まり、選考につながったケースもあります。

選考フローや採用広報において工夫されている点はありますか。

「就職活動に慣れていない学生をフォローする」ことを目的に、面接前に個別面談を実施しています。志望動機の効果的な伝え方や自己PRのポイントをフォローだけでなく、WEB面接におけるカメラ位置の調整方法や照明の工夫など、細かい点まで具体的なアドバイスを行い、学生が面接本番で100%の力を発揮できるようサポートしています。
また、内定者アンケートの分析結果から、多くの学生が入社の決め手として「給与水準・勤務地・福利厚生」を重視していることが分かったため、就職情報サイトや合同説明会ではこれらの具体的な情報を積極的にアピールしています。
また製造技術職に対する理解促進とイメージ向上を図ること、高専生が活躍していける企業であることをアピールするため、合同説明会では実際に製造技術職で活躍している高専OB・OGに同行していただいています。先輩社員の生の声を通じて、学生がより具体的にイメージできる工夫を心掛けています。

一人ひとりの学生と向き合い、“心の通う採用”を続けていく

高専採用のご担当として、清水様ご自身はどのような時にやりがいや喜びを感じていますか?

インターンシップ初日、玄関で初めてお会いする参加者をお迎えした際に、名前を呼びながらネームプレートをお渡ししたところ、参加者の学生から「どうして私の名前がわかるんですか?」と驚かれました。後日のアンケートでも、「清水さんが自分の名前と顔を覚えていてくれたことが印象的でした」という声をいただきました。
高専採用は修士・学士採用ほど採用人数は多くありませんが、その分、一人ひとりと丁寧にコミュニケーションが取れます。私自身、「心の通った採用」「互いの顔が見える採用」を実践できることに喜びを感じています。学生とお会いする際にはエントリーシートを読み込み、学生の顔と名前、書いてくださった志望理由などを結びつけることを意識し、しっかりと準備することを心がけています。

最後に、今後、高専採用で取り組んでいきたいことがありましたら、ぜひお聞かせください。

ありがたいことに、高専採用も修士・学士採用も例年多くの学生が当社を志望してくれています。オープン・カンパニーやインターンシップも応募が多く、参加できない学生も一定数いらっしゃいます。そこで今後は「オンライン工場見学」など、より多くの学生に参加いただける施策を充実させたいと考えています。
加えて、「採用の質」をより一層高めていきたいですね。進学を希望される学生も多くなっている高専があると伺っていますが、進学を断念して就職に切り替えた学生の確保、また長期的には外国人留学生の採用なども視野に入れ、当社の採用のあり方をさらに探っていくつもりです。


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