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Interview

オンライン採用のトップランナー
NECネッツエスアイの「提案型採用」

Published on 2022/11/25

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Profile

堀江 優未Yumi Horie

NECネッツエスアイ株式会社
人事部採用グループ 主任

2011年4月、NECネッツエスアイに入社。人事部に配属後、社員研修、労務管理、給与計算など人事業務全般を経験。2021年より採用グループへ異動。インターンシップやセミナー企画・運営をはじめ各種採用業務に従事する。

清水 尚子Shoko Shimizu

NECネッツエスアイ株式会社
人事部採用グループ 

2021年、NECネッツエスアイに中途入社。前職から一貫して新卒採用業務に従事し、現在は採用企画から実施、内定者フォローまで手掛ける。

2020年から始まった新型コロナウイルス流行以来、採用活動は急速にオンライン化を遂げました。2021年卒採用から急遽面接やイベントをオンラインに変更したという企業が多い中、2018年からすでにオンライン選考を実施していたという先駆的なIT企業こそ、NECネッツエスアイ株式会社。実は同社は通信インフラ開発の大手であると同時に、オンライン会議システム「Zoom」の国内販売代理店第1号でもあります。オンライン技術の活用において屈指のノウハウを持つ同社ならではの、効果的な採用戦略とはいかなるものか?そして社会貢献性の高い事業に共感する人材とのマッチングを実現する方法とは?採用グループの堀江様、清水様にお聞きしました。

選考を通じて学生の個性を見出し、部門や職種を提案

まずは貴社の事業について簡単にご紹介いただけますか。

堀江:
当社の事業を一言で表すと、「海底から宇宙まで、社会のあらゆるところに張り巡らされているネットワークやICTシステムをつくること」となります。例えば当社では、キャリア携帯ネットワークやオフィスネットワークをはじめ、鉄道監視システム、高速道路の渋滞管理システムなどの専門分野、消防・防災情報システムなどの公共性の高い分野、さらには国際間を結ぶ海底ケーブル、衛星通信などの分野に及ぶ、幅広いネットワークを提供しています。

単なるIT企業ではなく、社会インフラを構築している会社なのですね。

堀江:
その通りです。しかし事業領域が幅広すぎるゆえに、採用活動においては学生に訴求する情報を絞り込むのが難しいという面もありますね。そのため私たちは、一人ひとりの学生と一緒に、彼らの価値観と最も共鳴する事業領域や職種を探しています。インターンシップや面接・面談を通して過去の体験や想いを聞き取り、そこから彼らが将来どんな分野で社会に貢献できるかを、共に考えるわけです。

堀江様が入社されたころからそのような採用を行われていたのですか?

堀江:
はい、私は理系だったので、技術職での選考を受けていたのですが、面接の際に「人事をやってみてはどうだろうか」と勧められ、初めて人事というキャリアを真剣に考え、魅力を感じることができました。私も今は採用担当者として、学生の適性に合わせて積極的に職種を紹介し、彼らの可能性を引き出すことに努めています。

多彩な事業分野があるなかで、貴社が求める共通の人物像といったものはありますか?

堀江:
やはり社会貢献に関心の高い人は、当社との親和性が高いと思われます。若手社員を対象としたアンケートの結果でも、それが入社動機になっている方が非常に多いことがわかりました。当社が手掛けるネットワークは日本中の人々の生活を陰で支えているものであり、我々社員も、そして学生の皆さんも、当社のエンドユーザーと考えることができます。そうした「生活に欠かせない社会インフラ」をつくる仕事に魅力を感じる人と一緒に働きたいと考えています。

「Zoom販売代理店」ならではの、先駆的オンライン採用

貴社は非常に早い時期から採用にオンライン技術を取り入れていたそうですね。

清水:
オンライン選考は2018年からすでに実施していました。当社はオンライン会議ツール「Zoom」の国内販売代理店第1号でもあり、社内でも早くからZoomを活用した業務改善を実践していました。また、オンラインインターンシップも2020年度より実施していました。そのため、2021年卒採用の時期が新型コロナウイルス流行と重なった際にも、大きく計画を変えずに対応することができました。またオンライン化に伴って全国各地、海外からの参加者が年々増加している状況を踏まえ、現在もオンラインを中心としたインターンシップを開催しています。

先見の明があったということですね。インターンシップはどのような方針で行われているのですか?

清水:
先ほども申し上げた通り、当社では学生の動機付けを重視しています。とはいえ、夏期に実施する最初のインターンシップでいきなりディープな内容を実施しても、共感を得ることは難しいでしょう。この時期の学生は、多くの企業のインターンシップに参加しながら業界研究をしているからです。そこで1stインターンシップでは広く浅く当社の社風を体感できる内容にしています。そして2nd、3rdと回を重ねるごとに、事業分野や職種を深く知り、キャリアビジョンを共に考える内容へと濃度を高めていきます。そしてこの流れを受けて、12月には3年生対象の早期選考(面接)を開始します。

選考開始時期としてはかなり早いタイミングですね。

清水:
意図的に選考時期を早めようとしたわけではありません。夏から秋にかけて複数回のインターンシップに参加して相互理解が深まった学生に対し、最も自然な流れで接点を持とうと考えた結果、12月の選考がベストと考えました。もちろん、年明けにも引き続き冬期インターンシップをおこないますし、本選考もその後再び開始します。

貴社はZoomの販売元であり、他社に先駆けてオンライン採用を手掛けた実績があります。オンライン採用を効果的に行うため、どのような工夫をされているのですか?

清水:
例えば2021年卒採用から、Zoomを使ってオフィス内を中継でお見せするオフィスツアーを実施していました。現在では多くの企業で実施されていると思いますが、当時はかなり珍しかったようで、学生から評判が良かったですね。また、コミュニケーションが一方的になりがちなオンラインの欠点を補うためのツールを導入しています。

どのようなツールですか?

弊社が販売代理店を務めているSlidoというツールです。イベントやセミナーで、Q&A・投票といった視聴者とのインタラクティブなやり取りができるツールで、学生は画面を見ながら匿名チャットで質問やコメントを書き込み、リアルタイムでスクリーンに表示することができます。社員はこのコメントに対して答えることで学生との双方向なコミュニケーションを実現できます。また、学生が他の学生のコメントを見ることで、オンラインイベントでは感じにくい参加者同士の一体感が生まれるというメリットもあります。

学生からの反響はいかがですか?

ありがたいことに、他社のイベントと比べてもリアルに社風を体感することができたという声を多数いただいています。

データを活用し、さらなるマッチング向上へ

採用活動における目標設定は、どのように実施されていますか。

清水:
まず、定量的な目標設定については、事業戦略に基づいて各事業部の必要な採用人数を割り出しています。定性的な目標については、各事業部のニーズと会社の求める人材像を採用チームでディスカッションして固めていくというかたちですね。

効果測定についてはいかがですか?

清水:
効果測定においては、定量的なデータはもちろん、それだけでは見えない情報を丁寧に調査します。定性的な情報を持っているのは当事者、つまり内定者、若手社員、そして選考途中で辞退した方ですね。彼らが当社を選んだ理由、選ばなかった理由を心理的要素も交えてヒアリングし、その意見を踏まえて採用施策を評価します。さらに、採用した社員が入社後にどれぐらい活躍しているかを調査することも重要です。そのためには我々採用チームも「採用して終わり」ではなく、入社後も継続的に社員をサポートし、社員と配属先部署とのマッチング精度を確認する必要があるでしょう。学生の素質と部署とのさらなるベストマッチングを図れるようになれば、当社にとっても学生にとってもメリットは大きいはずです。そのためのデータ分析の仕組みも、準備を進めているところです。

今後の貴社の採用活動をどのようにしていきたいか、抱負をお聞かせください。

堀江:
データを活用した施策に加え、今後はリクルーター制度も取り入れることで、学生と企業とのさらなるベストマッチを目指していきたいと考えています。そして、どのような施策を取り入れるにしても、私たちにとって最も重要なことは「NECネッツエスアイのファンを増やすこと」にほかなりません。当社に入社するか否かに関係なく、学生の皆さんはすべて当社のエンドユーザーですし、当社の顧客企業に就職されるかもしれません。だからこそ、当社にかかわったすべての人に、当社のことを好きになってほしい。そういう心構えを忘れずに採用に取り組んでいきたいです。

最後に、採用という仕事への想いをお聞かせいただけますか。

清水:
私が就職活動をしていたころもそうだったのですが、多くの学生は自分がどんな仕事に向いているか、自分ではわからないものです。正解がわからず、不安を抱えながら会社探し、仕事選びをしなければならない。そういう学生の不安に寄り添ってあげられるような採用担当者、そして社会人でありたい、というのが私の個人的な願いです。これからも一人ひとりの学生としっかり向き合い、彼らのやりがいにつながる仕事を明らかにして提案し、迷いを払拭していけるよう努めていきます。

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