2007年に中途入社。人事部で採用担当としてキャリアをスタートし、採用計画の立案やイベント運営、採用広報など幅広く手がける。企業の魅力を応募者に伝える架け橋として活躍中。
天野 聡子Satoko Amano
株式会社パルグループホールディングス
人事部
2007年に中途入社。人事部で採用担当としてキャリアをスタートし、採用計画の立案やイベント運営、採用広報など幅広く手がける。企業の魅力を応募者に伝える架け橋として活躍中。
義本 美幸Miyuki Yoshimoto
株式会社パルグループホールディングス
人事部
2012年に中途入社。新卒採用担当としてキャリアをスタート。未経験から採用計画の立案やイベント運営などに携わり、柔軟な発想ときめ細かな対応で採用活動を支え続けている。
株式会社パルグループホールディングスは、アパレル・生活雑貨など約30のブランドを展開する総合アパレル企業です。学生との“リアル”な接点を重視し、応募者一人ひとりと向き合う採用活動を実施しています。同社の選考で大切にしているのは、画面越しでは捉えにくい「本質」。カジュアルな雰囲気を大切にしながらも、ブランドの世界観や企業文化をしっかりと理解してもらうための工夫が詰まっています。アパレル業界ならではの個性を尊重した独自の採用戦略──その全貌をひも解きます。
まずは、貴社の事業についてご紹介いただけますか。
天野:
当社はレディースアパレルやメンズアパレルだけでなく、服飾雑貨や生活雑貨の企画・製造・卸・小売まで手がける総合アパレル企業です。現在、約30のブランドを展開しており、それぞれが独自の個性を持ちながら、多種多様なお客様のニーズに応える商品を提供しています。
幅広い事業を展開されている中で、新卒採用ではどのような人材を求めているのでしょうか?
義本:
当社の社風を一言で表すなら「出る杭を引き上げる」です。世間一般では「出る杭は打たれる」と言われがちですが、当社ではむしろ自主性や自発性を持った方を評価して積極的にサポートしています。手を挙げればどんどん挑戦の機会が与えられる環境ですので、意欲や行動力、そして柔軟な発想を活かしていける方を求めています。
そうした人材を採用するために、選考プロセスやインターンシップではどのような工夫をされているのでしょうか?
天野:
当社では応募者全員を、必ず対面で拝見してから合否を判断しています。一次面接から対面で行い、オンライン面接は原則行っていません。コロナ禍で一時期Web面接を導入したこともありましたが、早々に100%対面へ切り替えました。
義本:
切り替えの理由は、対面で得られる印象や情報量が格段に多いからです。学生の動きや表情、ちょっとした仕草や反応など、画面越しではわかりづらい部分が数多くあります。直接お会いして総合的に評価できることは当社にとって大きなメリットですね。
対面面接を重視する背景には、どのような理由があるのでしょうか?
天野:
入社後は、皆さんが接客販売からキャリアをスタートします。そのため店頭での接客をイメージしながら、応募者の表情や所作、話し方、コミュニケーションのスタイルをしっかり把握することが大切です。オンラインではどうしても限られた情報しか得られませんが、対面ならば細かな部分まで確認できますし、総合的な評価が可能になります。
義本:
また、対面で得られるのは“印象”だけではありません。応募者が対面の環境でどんなふうに振る舞うのか、緊張感のある場でどのように対応するのかも見逃せないポイントです。当社各ブランドの世界観にフィットするかどうかも、直接お会いすることで初めて見極められる部分が大きいと感じています。
オンラインでは得られない要素が、対面面接を通じて明確になるのですね。
天野:
そうですね。特に接客販売をスタート地点とする当社のような企業では、動きや反応といった画面越しでは把握しづらい部分が仕事に直結します。対面での印象をより重視することで、ミスマッチを防ぐだけでなく、入社後にいっそう活躍していただける人材を見極めやすくなります。
学生からの反応はいかがでしょうか?
義本:
「対面で会えてよかった」という声を多くいただきます。コロナ禍ではオンラインだけで選考が進むのが一般的でしたが、対面面接が復活したことで実際の会社の雰囲気を肌で感じながら、直接コミュニケーションを取った上で判断できる点が好評のようです。応募者にとっても、人と会うことで得られる安心感は大きいのだと思います。
対面面接を行う中で、特に工夫していることはありますか?
義本:
まず、応募者の方には私服で来ていただくようお願いしています。いわゆるリクルートスーツは着用禁止です。面接には各ブランドのリーダークラスも参加し、アパレルや雑貨など多様な視点から応募者の適性をチェックします。面接官も私服で臨み、フランクな雰囲気づくりを心がけています。
私服というのは本当に自由なのでしょうか?髪型なども制限はないのですか?
天野:
当社は応募者一人ひとりのセンスや個性を大切にしたいと考えています。服装や髪型も含め、その人がどのように自己表現しているのかを重視し、ブランドに対する理解やスタイルをうかがうのです。アパレル業界ならではのポイントとして、個性をどのように活かすかは非常に重要だと思います。
100%対面面接を実施するにあたり、課題はありますか?
天野:
全員と対面でお会いするので、人事メンバーだけでは対応しきれません。そこで、新卒採用にかかわる各ブランド本部のスタッフにも協力してもらい、面接官として参加してもらっています。他社からは「そこまで社内を巻き込んで採用活動を進められるのはすごい」と驚かれることもありますね。
義本:
その分、個人面接に時間を割くのは難しいため、基本的にはグループ面接で進めています。面接官ごとに質問や着目点を共有し、評価の基準がぶれないよう意識することが大切です。その点はしっかり工夫しながら取り組んでいます。
採用広報施策へのこだわりや工夫について教えてください。
天野:
当社には、社員一人ひとりの個性が光る社風があります。その個性がどのように仕事に活かされているのか、そしてそれがどう採用につながるのかを常に意識して広報しています。具体的には、社員インタビューを充実させることで、自主性や自発性が尊重される環境でどのように行動し、どんな考え方をもって今のポジションにたどり着いたのかを伝えています。多くのブランドの社員をピックアップし、応募者が自分の未来をイメージしやすくする工夫も欠かしません。
広報施策が応募者に与える影響について、印象的なエピソードはありますか?
天野:
とてもポジティブな声をいただきます。たとえば、3COINSのディストリビューター職に憧れて「その仕事がやりたい」と面接時からはっきり伝えてくれた学生がいました。販売という表舞台ではなく裏方の仕事ですが、「採用サイトを見て目指したいと思った」と言われ、採用広報の大切さを改めて実感しましたね。
義本:
コロナ禍に公開した職種紹介の動画をきっかけに、志望動機が深まったという学生もいました。面接で「動画を見て、具体的な業務を理解することができました」と話してくれ、その自主性や理解度の高さに感銘を受けました。広報施策が応募者の行動や意識に直結することを実感できて嬉しかったです。
広報施策を進めるうえで、特に意識されていることは何でしょう?
天野:
応募者が当社で働く姿を自然にイメージできること、これを最も大切にしています。そのために、社風や働き方、キャリアパスなどを具体的に伝えるよう努めています。また、各ブランドの個性や魅力を多角的に発信して、さまざまな視点から理解してもらえるよう工夫しています。
義本:
さらに、当社の強みや特長をどうアピールするかも大きなポイントです。同業他社と比較しながら、自社だけが持つ独自の特徴を再確認する場を社内で設けています。たとえば、販売成績やSNS活動が個人評価に直結する仕組みなど、ほかにはない特徴をどの程度アピールするか、慎重に検討して広報に反映しています。
それでは最後に、今後の採用活動に向けた展望を教えてください。
天野:
少子化で採用市場がますます厳しくなる中、いかに魅力的な情報を効率的に届けるかが課題だと感じています。応募者には「ここに来てよかった」と思ってもらえるよう、さらに質の高い情報発信を続けたいですね。
義本:
近年は個人でクリエイティブな活動を行う選択肢が増えていますが、当社のように会社という環境の中で「やりたいこと」を実現できる場所もあります。その魅力をしっかり伝え、「ここなら自分の可能性を広げられる」と感じてもらえるような採用活動を、今後も積極的に展開していきたいです。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
新たな採用手法の実現方法を紐解きます。
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