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Interview

手間を惜しまない採用が未来をつくる。
リコーリースが実現する「高定着率」の理由

RECRUITMENT

Published on 2025/02/14

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Profile

小倉 一馬Kazuma Ogura

リコーリース株式会社
グループ人財統括本部
人事部 人材開発課

2012年4月、新卒で入社。ベンダーリースの営業、特殊設備を取り扱う営業にそれぞれ5年間従事したのち、2022年より現職。新卒採用とキャリア採用の企画立案、運営を行う。

リコーリースは、リコー製品のOA機器をはじめ、医療機器や車両・輸送用機器、工作機械など多岐にわたる製品のリースを通じ、社会に貢献しています。同社が新卒採用において大切にしているのは「学生に寄り添うこと」。一次面接から45分間にわたる丁寧な個人面接を行うことで、マッチング精度を高めると同時に、志望動機の向上にも成功しています。さらに生配信動画「RL(リコーリース)ラジオ」では社員がお題に沿ったフランクなトークを公開することで、学生への情報提供と共感の醸成を両立しました。「入社3年定着率88%(2024年)」を実現した手間を惜しまぬマッチング戦略について、人事部の小倉様にお伺いしました。

時間をかけた個人面接で、学生との相互理解をはかる

まずは改めて、貴社の事業についてご紹介いただけますか。

当社はもともと、リコー製のコピー機を世に広めるために設立されたリース会社ですが、現在はリコー製品以外のさまざまなOA機器や産業設備もリースしています。さらに近年は「金融も手掛ける事業会社」へとシフトしつつあり、口座振替サービスなどの「サービス事業」や、住宅賃貸事業、太陽光発電事業などの「インベストメント事業」も展開しています。

そうした事業領域の拡大は、求める人物像にも影響を与えているのでしょうか。

その通りです。金融サービスを通じて社会に貢献するという従来の理念を踏まえつつ、新事業の拡大にも積極的に取り組んでくださる方を必要としています。人事部としては、「当社の経営理念に共感し、変異を起こし続けられる人財」という言葉でこれを表現しています。

そうした人材を採用するには深い相互理解が求められますよね。貴社では面接を非常に丁寧に実施されていると伺いました。

当社では3回の面接を実施していますが、グループ面接は行っておらず、すべて個人面接です。一次面接から45分間かけて行っているので、比較的面接には時間をかけているほうだと思います。

なぜそこまでコストをかけて丁寧に面接を行われているのでしょうか。

一人ひとりの学生にしっかり向き合いたいと考えているためです。グループ面接では同じ質問を複数の人に順に投げかけていくのが一般的ですが、この方法では学生が本当にどのような人なのかを見極めるのは難しいと感じます。自然に会話を交わすことで見えてくる人柄を、私たちは重視したいのです。また、時間についても、学生のことを理解するために最低限必要な時間として45分を設定しています。

面接において工夫されていることが他にもありましたら、教えていただけますか。

当社の面接官は一回の面接ごとに、かなり詳細なメモを残しています。会話の内容や評価ポイントを詳しく記録することで、採点を公平に行うと同時に、次の面接官が参考にできる材料にもなります。前の面接でどんな話をしたかが詳しくわかれば、同じ質問をする必要がなくなり、別の角度から質問を投げかけることで、学生をより深く理解できると考えています。こうしたメモをスムーズに共有するため、当社では採用管理システムの面接評価機能を活用しています。

各面接でどんな質問をするかは決まっているのですか?

一次、二次、最終面接でそれぞれ確認したい要素は設定していますが、質問内容自体は面接官に任せています。型通りの一問一答では形式的な回答しか得られず、学生を理解することは難しいからです。また、学生側も「この企業の社員は決まりきった質問しかしてこない」と感じ、不満に思うかもしれません。もちろん、予想外の質問に戸惑う学生もいますが、上手に話せたかどうかは評価に影響しません。正直に話してくださった内容をもとに、人柄や当社とのマッチングを判断しています。

企業にとっても学生にとっても、満足度の高い面接になりそうですね。

毎年、内定者と内定辞退者に選考の感想を伺っていますが、「面接官が親身になって話を聞いてくれて、話しやすかった」「面接を通じて、こういう人と働きたいと思った」というポジティブな意見を多くいただいています。

フランクな社風を伝える動画番組「RLラジオ」

貴社では「RL(リコーリース)ラジオ」という動画のライブ配信を行われています。どのような意図で始められたのでしょうか。

企業やビジネスモデルの魅力を伝える手段として、従来から会社説明会やインターンシップを実施しており、これらが十分に効果を発揮していると考えていました。しかし、社員の魅力まではそのような場では伝えきれないと感じていたのです。そこで、等身大の社員の姿を学生に知っていただくために始めたのが、動画ライブ配信「RLラジオ」です。この番組は選考前・選考中の学生だけでなく、内定者向けにも配信されており、時期ごとに伝えたいトークテーマに沿って、人事部とゲスト社員が自由に会話をする形式になっています。動画のURLは学生向けマイページで共有しており、予約不要で気軽に視聴可能です。

通常の動画コンテンツと異なる強みはどのような点にあるのでしょうか。

「ラジオ」というタイトルからもわかるように、非常にフランクな雰囲気で話している点が特徴です。トークテーマは設けているものの、台本なしで進行する自由なスタイルが学生に好評です。「リコーリースでは、普段こんな風に会話が行われているのだな」と感じてもらえるのではないでしょうか。ゲストは若手社員が多いですが、当社は規模が大きくないため、たいていは顔見知りで、普段から一緒に食事に行ったりしている関係性。そうした普段の交流が、ときに趣味の話題も飛び出すような自然なトークにも表れています。初対面の社員でもすぐに打ち解けられるのは、当社の社風そのものだと思います。

もちろん、ただ雑談をしているわけではなく、学生に伝えるべき情報はしっかり盛り込んでいます。例えば選考前であれば事業理解を促す話をしたり、面接官をゲストに迎えて選考のポイントを共有したりします。内定者向けのトークでは、「当社に入社した理由」「福利厚生」「キャリア形成」や「女性の働き方」など、入社後をイメージしやすい内容を中心にしています。

学生からの反響はいかがですか。

任意回答のアンケートでは、「リコーリースで働くイメージが具体的に湧いた」「社員同士の仲の良さが伝わってきた」といった意見が多く寄せられています。「RLラジオ」はもともと3年前にエントリーシート添削講座としてスタートしましたが、学生からの要望を受けて現在の形に進化してきました。

動画からの情報収集や職場の雰囲気を重視する今の学生のニーズに寄り添う施策ですね。

最近では会社説明会の一部をYouTubeでも配信するようにしました。これまでは時間を指定し、予約者のみが閲覧可能な形式でしたが、スケジュールが合わず参加できない方も多くいました。そのため、いつでも視聴可能に変更し、視聴後のアンケート回答をもって「出席」とする方式にしました。「授業やバイトでリアルタイム配信に間に合わなかったので助かった」「電車移動中に視聴できて効率的だった」などの声をいただいています。

学生に寄り添い、高い定着率を実現

丁寧な面接や動画による情報発信など、学生に寄り添う姿勢が印象的です。学生とのマッチングも高まっているのではないでしょうか。

直近の入社3年定着率は88%となっており、入社後のミスマッチが少ないことを示していると思います。もちろんこれは採用活動だけの成果ではなく、教育チームや配属先の尽力による部分も大きいですが。

小倉様は採用担当者として、どのようなときにやりがいを感じていらっしゃいますか。

新卒・キャリア採用を問わず、入社された方から「リコーリースに入って良かった」と言われたとき、そして配属先の社員から「いい人が来てくれて助かった」と感謝されたときに、やりがいを感じます。私は採用チームなので直接そうした声を聞く機会は多くありませんが、教育チームのメンバーを通じて共有してもらっています。

最後に、今後の採用活動に向けて、目標をお聞かせください。

もっと学生一人ひとりと向き合える採用活動を目指しています。例えば、選考が始まる前に学生との接点を作り、お互いを知る場を設けることで、さらに深い相互理解を実現できるのではないでしょうか。また、入社後の定着や活躍を支援するために、求職者の就業観に合わせた人事制度の改善もいずれ必要になると考えています。中長期的には、こうした点も視野に入れながら採用活動を進めていきたいです。


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