2017年、株式会社武蔵野に入社。神戸工場にて洋菓子製造管理を経験したのち、2018年3月に同グループ会社の株式会社武蔵野ホールディングス人事部へ異動。現在は新卒採用チームのリーダーとして企画・運営を主導すると同時に、中途採用や社員教育、人事制度関連業務などにも幅広く携わる。
Published on 2022/02/24
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松本 雄太Yuta Matsumoto
株式会社武蔵野ホールディングス
人事部
2017年、株式会社武蔵野に入社。神戸工場にて洋菓子製造管理を経験したのち、2018年3月に同グループ会社の株式会社武蔵野ホールディングス人事部へ異動。現在は新卒採用チームのリーダーとして企画・運営を主導すると同時に、中途採用や社員教育、人事制度関連業務などにも幅広く携わる。
コンビニチェーンにとって弁当、おにぎり、パンなどの食品は主力商品の一つですが、それらを実際に開発・製造しているのは外部の食品製造企業。こうしたB to Bメーカーの一社として、高度な企画・開発力を発揮しているのが武蔵野グループです。今回お話を伺ったのは、株式会社武蔵野ホールディングスでグループ採用を統率する若きリーダー・松本雄太様。多くの企業では人事部内で新卒採用、中途採用、社内教育、人事制度といった分野別で分業を行っている中、松本様はこれらのすべての業務に携わられています。幅広い人事経験を活かしてこそ実現される「ゴールではなく、スタートとしての採用活動」とは、いったいどのようなものでしょうか。
まず、貴社について簡単にご紹介いただけますか。
武蔵野グループは株式会社武蔵野、株式会社武蔵野フーズ、株式会社武蔵野ロジスティクス、その他複数社から成るグループであり、その持株会社として管理業務を担っているのが武蔵野ホールディングスです。武蔵野グループは「食」と「癒し」をテーマとした事業を展開しており、「食」の分野では大手コンビニチェーン向けの食品や、外食店向けの業務用商品、糖尿病や腎臓病等の疾患のある方に向け調整されたお食事などを開発・製造しています。「癒し」の分野ではホテルやゴルフ場など安らぎの空間やサービスを提供しています。特にコンビニ向け商品では企画開発力や品質管理において高い評価をいただいており、メディアで取り上げていただく機会も増えています。
松本様は2017年に新卒でご入社されたとのことですが、どのような動機で貴社にご入社されたのですか。
私はもともと食品メーカーを志望して就職活動をしており、そのなかで出会った武蔵野グループに惚れて入社しました。一番の理由は、当社が「従業員の幸福」を重視していることです。当社では利益を従業員の給与や賞与に大きく還元していますし、福利厚生制度も充実しています。例えば子の出生祝い金は一人目では50万円、二人目では100万円、三人目では200万円を支給しています。
それはすごいですね。
会社説明会などでも、そうした「社員への想い」はしっかり伝えるようにしていますし、それが響く学生も多いようです。
そうした「社員への想い」の強さは、採用活動にもつながっているのでしょうか。
つながっていると思います。採用チームが常に大切にしているのは、「採用活動はゴールではなくスタートである」ということです。採用して終わりではなく、社員がいかにやりがいをもって楽しく仕事ができるか、その道筋を立てるのが人事の神髄だと考えています。実際に私自身も、新卒採用・中途採用だけでなく、社員研修や働きやすい人事制度づくりなど、社員の採用から引退まですべてに寄り添う仕事に従事しています。
それだけ幅広い人事業務を入社5年目で経験できる環境は、かなり貴重なのではないでしょうか。
当社には人事部に限らず、若手社員が活躍できる社風があるからだと思います。入社2~3年目でリーダー業務を担う社員は珍しくありませんし、私も数年前から新卒採用チームのリーダーを務めています。また、採用業務だけをしていると「採用がゴール」になりがちだともいわれますが、教育や人事制度にも携わっているおかげで、「入社後の社員をどのようにサポートするか」「どのような人なら現場で活躍できるか」といったことまでしっかり考えて採用できていると感じます。
新卒採用において貴社が求める人物像とはどのようなものですか?
武蔵野グループでは教育理念として「自ら学び、自ら考え、挑戦し、成長し続ける人財の育成」を掲げており、新卒採用においても、このような資質を持っている、あるいは可能性のある学生を積極的に採用しています。
そうした人材を採用するために、工夫されていることはありますか。
実は少し前まではごくオーソドックスな採用活動を行っていたのですが、昨年から新たな採用手法を取り入れ始めました。
どのような手法ですか?
例えばコンピテンシー(「成果につながるかどうか」という視点でみた能力のこと)を重視した面接を導入しました。応募者が過去に熱中したことや成果を上げた経験などを丁寧に深堀し、その人の行動特性を見極め、弊社で活躍できる人財かを判断するというものです。
内定者の傾向に変化は現れましたか?
真価が見えるのはまだ先だと思いますが、2021年卒採用で入社した社員は、今まで以上に自主性をもって行動できる方が多いように感じます。
それは素晴らしいですね。他にはどのような施策を行われましたか?
2021年3月に、初めて新卒採用専用のホームページを開設しました。以前はコーポレートサイトが採用サイトを兼ねていたのですが、応募者に向けてよりダイレクトに、より詳しく当社の魅力を伝えたいと考えたためです。
具体的にどのように制作を進められたのでしょうか。
チームのリーダーとしてメンバーそれぞれに担当を割り振り、チーム全員で制作しました。制作はヒューマネージ社のi-web CMS(採用管理システム『i-web』搭載のコンテンツマネジメントシステム)を使って行い、写真の撮影・選定や社員へのインタビュー、記事の編集などのほとんどすべてを私と数名の部下で手がけました。
ほぼ自社内で採用サイトを作り上げたというのは驚きです。
大変なこともたくさんありましたが、良いものができたと考えています。特にこだわったのは先輩社員のインタビュー記事をたくさん載せたことですね。リアルな職場の雰囲気を、社員の生の声で学生に伝えたいと考えました。
サイト公開の反響はいかがですか?
エントリー数は昨年と比べてかなり増えました。嬉しいことにアンケートでは「会社のことが理解しやすくなった」「写真や文章から温かい雰囲気が伝わってきた」といった意見を多くいただいています。
新型コロナウイルスの流行によって、採用活動がオンライン化されています。この状況に対するお考えや、工夫されていることがあればお聞かせください。
新型コロナウイルスの流行以来、学生は自分が入社する会社を選ぶのにかなり慎重になっていると感じます。採用のオンライン化に伴って多くの会社の面接を受けやすくなり、複数の内定を獲得する学生も増えました。そのため、企業にはこれまで以上に内定者との深いコミュニケーションが求められるようになったと思います。このような状況も踏まえ、私たちも例年以上に内定後のフォローに力を入れました。
内定後のフォローにあたっては、どのような点を大切にされましたか。
学生が入社を決めるにあたっては、大きく3つの不安があると考えています。「仕事に対する不安」「評価に対する不安」「仲間に対する不安」です。この3つの不安を払拭することを目標に、さまざまな施策をおこないました。先ほど述べた採用サイトの新設や、週2~4回のオンライン説明会もその一つです。内定者向けに特化した施策としては、内定後に1対1で丁寧に個人面談を行ったり、内定者同士がコミュニケーションをとれる内定者交流会を開きました。選考だけでなく、内定後にも何度か接触の機会を設けることを意識しました。
充実したフォローですね。
当社を選んでいただける方の多くが、入社の決め手として「若手が活躍できる社風」と並んで「先輩社員の人柄」を挙げています。そうした魅力を伝えるためにも、直接コミュニケーションをとり、武蔵野グループのファンを作っていくことが大切だと考えています。
お話を伺っていると、貴社はこのわずか1~2年で採用サイト新設をはじめ「自社初」の取り組みを非常にスピーディに実践しているという印象を受けます。少人数の採用チームでこれを実現できているのはなぜなのでしょうか。
課題解決に向けて新しいことに挑戦するというマインドは、人事部に限らず武蔵野グループ全体に共通するものだと思います。当社の主要事業であるコンビニ向けの食品開発は常に高い新規性を求められるものであり、そこでこのマインドが磨かれたとも言えるかもしれません。例えば今は定番商品となった「ツナマヨおにぎり」も、もともとは当社が開発したものでした。全員が当事者意識を持ち、経営者の目線で問題に向き合う「全員経営」の哲学が、こうした新たな取り組みを生み出しているのだと思います。
今後の採用活動に向けてのビジョンをお聞かせください。
いま申し上げた「全員経営」の哲学を、従業員全員に浸透させることが我々人事部の役目だと考えています。自ら主体的に行動することのやりがいを全員が感じ、それが自然に自己の成長、ひいては会社の成長につながっていく。武蔵野グループをそういう組織にしていけるよう、引き続き、入社後の育成やフォローを見据えた採用活動を展開していきたいです。
最後に、松本様ご自身の仕事への想いについてお話しいただけますか。
当社の理念の一つに「至誠通天」という言葉があります。心から誠実に行動すれば必ず結果が出る、といった意味ですが、私もそのように誠実さをもって仕事に取り組みたいと考えています。将来自分に子供ができたら、その子供に対して誇りを持って話せるような仕事をしたい。そんな風に考えながら、日々の仕事に励んでいきたいと思います。
Special Feature 01
人材データを蓄積し、その後の採用可能性につなげていく「タレントプール」。
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