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Interview

電通国際情報サービスが本気で具現化する
「関わる全ての人が幸せになるための採用活動」

Published on 2022/01/07

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Profile

斉藤 ゆいYui Saito

株式会社電通国際情報サービス
人事部

2015年、株式会社電通国際情報サービスに入社。エンジニアとして先端領域の技術調査や他部門への技術サポートを担当。2019年1月、人事部へ異動。新卒採用の企画・運営に携わる。

小林 夏歩Kaho Kobayashi

株式会社電通国際情報サービス
人事部

2020年、株式会社電通国際情報サービスに入社し、初年度より人事部に配属。新卒採用の企画・運営に携わる。

金融・製造業をはじめ幅広い企業に対し、コンサルティングやITソリューションサービスを展開している株式会社電通国際情報サービス。同社は、企業ビジョンに「HUMANOLOGY for the future ~人とテクノロジーで、その先をつくる。~」を掲げ、強みの源泉である人材力の強化に取り組み、「関わる全ての人が幸せになるための採用活動を行う」という方針のもと、採用活動を行っています。例えば大学のキャリアセンターと連携した低学年向けのインターンシップでは、自社のアピールを度外視して学生の自己分析を支援するなど、一見非効率的とも見える施策にも全力を尽くしています。「目標採用人数の達成より、関わる学生が幸せになることのほうが大切なんです」と口をそろえて断言するのは、採用担当の斉藤様と小林様。お話を聞いて浮かび上がってきたのは、打算を捨て理念を貫く確固たる意志でした。

「HUMANOLOGY for the future」という企業ビジョン

まずは貴社について簡単にご紹介いただけますか。

斉藤:
当社は金融業、製造業をはじめ幅広いお客様に対してITソリューションを提供しているSIerです。従業員数は3,117名(2020年12月末現在)と、最大手のSIerと比べれば小規模ですが、その「ちょうどよさ」が学生に当社を選んでいただける強みにもなっていると思います。若いうちからプロジェクトマネージャーといった責任の大きい仕事を経験するチャンスも豊富にあります。

小林:
さらに当社の特徴の一つとして、企業理念を非常に大切にしていることが挙げられます。企業理念の中に「HUMANOLOGY for the future ~人とテクノロジーで、その先をつくる。~」というビジョンを掲げているのですが、これは2019年に社員が考えたものをボトムアップで経営陣に提案し、採用されたもの。私たち社員も気に入っていて、行動指針として浸透していると感じます。

「HUMANOLOGY for the future」という言葉にはどのような意味が込められているのでしょうか?

斉藤:
「HUMANOLOGY」とはHUMAN(人)とTECHNOLOGY(技術)を合わせた造語で、「人間魅力」と「技術実装力」(技術を社会やお客様のために役立てる力)によって未来を切り拓きたいという思いが込められています。とりわけ「人間魅力」は当社の社風を特徴づけるキーワードであり、採用活動においても大事にしています。

お二人の考える「人間魅力」とはどのようなものですか?

小林:
どんな人もそれぞれの個性を持っています。それを私たちは「人間魅力」と呼び、選考でも学生の個性を引き出すことに努めています。どういうタイプの人が望ましい、という固定的な人材観は当社にはありません。多様な個性を互いに尊重しあえる風土のなかで、誰もが自分の考えを自由に発信できることが、当社の魅力だと思います。一言でいうと、電通国際情報サービス(以下、ISID)は「人が好き」な会社であり、それはお客様に対する姿勢にも表れていると思います。

斉藤:
選考においてはさまざまな角度から学生の魅力を引き出すべく、その場で選んだキーワードに沿って即興的に話すグループ面接、エントリーシートを使ったオーソドックスな2次面接、そして「ISIDと私」をテーマに5分間のスピーチをしていただき、それについて話し合う最終面接と、異なるスタイルの面接をおこなっています。どの面接にも共通するのは、学生を選別するのではなく「その人らしさ」を重視すること。その人がどういう人であり、これまでどういう人生を歩んできたのかを私たちは知りたいのです。特別なエピソードよりも、その人の個性がISIDの価値観や事業とマッチするかどうかが大切です。

考え抜かれた面接ですね。学生からの反応はいかがですか?

小林:
うれしいことに、「ISIDの面接は自然な会話に近くて、話しやすい」という声をよくいただきます。どの段階の面接でもマニュアル通りの質問はなく、会話のなかで「この話題に入ったとたん学生が笑顔になった」「もっとこの話を知りたい」と私たち自身が感じたことを深堀りしている結果なのかな、と思います。

採用活動で関わる全ての人が幸せになるために

貴社では「関わる全ての人が幸せになるための採用活動を行う」という採用方針を掲げていらっしゃいます。この方針を定められた背景や想いについてお話しください。

小林:
採用活動はともすると、企業が一方的に学生を選ぶというものになりがちです。しかし私たちはそうではなく、学生にも当社が自分に合っているかどうか選んでほしいですし、ご縁がなく採用に至らなかった方にも幸せになってほしいと願っています。当社のことを好きになってもらえたならそれは嬉しいことですが、ISIDに入社することが誰にとってもベストなゴールというわけではありません。選考を通じて自分自身を見つめ、自分にとって最も輝ける場所を探すきっかけを提供したいというのが、私たちの考えです。

斉藤:
選考と同様、インターンシップも参加者に何かを持ち帰ってもらえるものにしたいと考えています。とりわけ、大学低学年向けのインターンシップはISIDへの志望度に全く関係なく門戸を広げ、今後の就職活動や社会人生活に役立つプログラムを提供しています。これは各地の大学のキャリアセンターと連携して実施しているものなのですが、学生の皆さんだけでなく、学生の就職を支援しているキャリアセンターの皆さんからも喜んでいただいています。ビジョンにある「関わる全ての人」のなかには、キャリアセンターで働く方々や、採用をお手伝いしてくださるメディアやベンダーの方々、それから採用活動に協力する自社の社員も含まれています。

大学低学年向けインターンシップとはどのようなものですか?

小林:
大学1、2年生の学生を対象に、就職活動のベースとなる自己分析などのワークをしていただくイベントです。コロナ禍前は大学の現地で実施していましたが、今年はオンラインでの開催となりました。

どのような意図で企画されたものなのでしょうか。

小林:
自己分析は就職活動にあたって欠かせない準備ですが、本格的な就活が始まってからでは多忙とプレッシャーのため、なかなか落ち着いて自分に向き合えないものです。そこで早い時期からゆっくり準備できる機会を提供しようと考えました。ワークでは、自分がどういう人間か、自分が本当に好きなことは何かといったことを知ると同時に、自分の欠点と思われていた部分も一つの持ち味であることに気づいていただきます。

斉藤:
さらに低学年向けインターンシップには、ITの面白さに触れていただくという目的もあります。情報系以外の学生には縁遠いものと思われがちですが、IT業界の仕事では顧客と対話し寄り添うことも多く、「理系」の枠を超えた魅力があります。こうした取り組みも含め、各大学のキャリアセンターからは評価いただけているようです。

参加者からの反響はいかがですか?

小林:
「これまでは自分の良いところがわからず力を発揮できていないと感じていたが、ワークを通じて自分のコンプレックスが実は強みだったことに気付き、自信がついた」など、うれしい言葉をたくさんいただいています。

低学年向けインターンシップを通じて貴社のファンを増やしていくことも、狙いのひとつなのでしょうか?

小林:
いえ、当社のことを知ってもらいたいという意図はありません。極論を言えば、会社紹介すら別に必要ないと考えています。実際、この施策が当社の採用にどの程度役立っているか、という効果検証もしていません。

斉藤:
あえていうと、こうしたイベントを通じてIT業界が盛り上がれば、大きな意味で当社にメリットがあるかもしれません。しかしそれよりも、私たち自身が学生から学び、成長させてもらえることのほうが、大きな利点だと思います。

「幸福最優先」の採用が高い定着率を実現

採用ホームページでは、内定承諾の期限を設けていないことを明記されています。ここにはどのような意図があるのですか?

斉藤:
学生の幸せを最優先するためです。学生にとって、ISIDに入社することが最も幸福であるとは限りません。本人が他社と迷っているなら、最後までしっかり迷い、自分にとってベストな道を自ら選んでほしいのです。もちろん、判断に必要な情報はいくらでも提供しますが、それ以上の口出しはせず、それぞれの判断を見守ります。

そして本当に納得した人だけが入社されるわけですね。入社後の定着率も高まりそうです。

斉藤:
現在の離職率は2.1パーセントですが、もちろん無理に引き留めたりしているわけではありません(笑)。むしろ、転職したい人はすればいい、という自由な雰囲気です。ところが、面白いことに当社には他社でスキルアップした後に再び戻ってくる社員も多いのです。もちろん、そうした社員に対しても「お帰り。待ってたよ!」と温かく迎える。こういうところにも、当社の「人間魅力」が表れているのでは、と思います。

近年はオンラインイベントが採用活動の軸になりつつありますが、貴社ではどのようなイベントを実施されていますか?

小林:
2023シーズンは7月からオンラインイベントを実施しています。中でも「内定者LIVE」の評判がとても良かったですね。

内定者LIVEとはどのようなものですか。

小林:
ITに絞らず幅広い業界を見ている学生を対象に、当社の内定者がエントリーシートの書き方や、選考に向けての準備について、体験に基づいたレクチャーをするという内容です。自社のアピールが目的ではなく、あくまで内定者が就活生に寄り添うことに集中したイベントであり、企画も内定者自身にしていただきました。内定者というのは就活生にとって最も近い先輩ですし、私たち人事が語るよりもリアルに情報が伝わると思います。実際、1,000名を超える参加者からの評価は10点満点中9.2点と非常に高いものでした。

一貫して「関わる全ての人の幸福」を大切にされていることがよくわかりました。最後に、今後の人事業務への想いをお話しください。

斉藤:
実は私が就職活動時、最初に目指していたのは学校の先生であり、その理由は「頑張っている人を応援する仕事がしたい」というものでした。入社後に就いた技術者としての仕事はやりがいがありましたが、リクルーターとして学生と接する経験をしたのをきっかけに、「人事として、就活を頑張っている学生を支えたい」と思い、希望を出して人事部へ異動したのです。これからも引き続き、「関わる全ての人の幸福」を目指して採用活動をしていきたいと考えていますが、人事の仕事は採用だけではありません。入社後の新人教育や中堅社員向けのキャリア支援、さらに男女共に管理職に向けてキャリアアップできる仕組みづくりなどにも、いずれ取り組んでみたいと考えています。

小林:
私がこれからやってみたいと考えているのは、共に採用活動に取り組む仲間をもっと社内に増やすことです。もちろん今もたくさんの社員に協力していただいているのですが、管理職をはじめ、さまざまな立場の人へ協力の幅を広げたいと考えています。我々人事部から採用の重要性をアピールすることで「仲間」を増やし、採用活動のレベルをより高めたいです。

 

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