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Marketing Magazine

【冬季インターンシップ】実施期間別プログラム内容――今後のインターンシップを考える

Published on 2023/02/10

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今回は2024シーズン冬季インターンシップの実施状況をデータでみながら、これからのインターンシップの設計について考えていきます。

 

5日以上のプログラムで「実業務体験」が多い傾向

 

実施期間別プログラム|1日

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実施期間別プログラム|2~4日間

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実施期間別プログラム|5日間以上

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[算出方法]
i-webをご利用いただいている企業のうち、24シーズンの冬季インターンシップのプログラムが決定している企業様(予定含む)を対象とし、該当するプログラム内容を集計して、実施期間別(1日/2~4日間/5日間以上)の割合を文理職種ごとに算出

 

実施期間別のプログラム内容をみると、1日のプログラムでは、「講義」や「グループワーク」が多い結果となりました。「社員との懇親会・交流会」は夏季インターンシップと比較して増加しており、本選考を目前に、社員の魅力や雰囲気を感じてもらいマッチングを図りたい企業の意向が窺えます。また2~4日間では「グループワーク」「社員との懇親会・交流会」の割合がさらに増加していました。一方で5日間以上では、「社員との懇親会・交流会」が7割以上にのぼると同時に、「実業務体験」も約7割と多くの企業が実施していることがわかります。企業の声からは、特に複数日開催において、自社の魅力や雰囲気をリアルに伝える場としてはもちろん、学生が自分の働くイメージを醸成する場として活用されていることが窺えます。

 

 

目的に合わせた、自社なりのインターンシップを

 

上記の調査結果では4日以下のインターンシップでは「業界・事業についての講義」「グループワーク」が主流となり、実施期間5日以上のインターンシップではこれらに加えて「社員との懇親会・交流会」や「実業務体験」の実施が多くみられました。『具体的な仕事内容や自社の魅力・雰囲気がより伝わりやすい「実業務体験」をインターンシップで行いたいが、実施期間や人員の確保等の問題により開催が難しい』という企業の声も聞かれ、自社のリソースに合わせて実施内容を模索する企業の様子が窺える結果です。

 

2025シーズンより、産学協議会はインターンシップにおける個人情報の取り扱いを変えることを示しており、これまで以上に注目を集めるインターンシップ動向。企業は自社の採用活動におけるインターンシップの位置づけや効果的なあり方を、いま一度捉え直すタイミングであると考えられます。

 

例えば、グループワークをメインにインターンシップを設計している企業では、実際の「実業務体験」ではなくとも、その醍醐味を出来る限り伝える工夫をしていると言います。内容は、実際に現場社員が直面した業務課題を一緒に取り組んでもらうというというもので、よりリアルを伝えるために、一回あたりの定員を抑えつつ社員にも協力を募っているとのこと。社員がガイド役として学生とコミュニケーションをとった結果、学生からは「社員の方が仕事のどのような点にやりがいを感じているかが伝わってきた」「実際に働いているような雰囲気を体感できた」と好評だったようです。

 

また、1dayインターンシップに力を入れている企業では、複数のプログラムを用意し、リピーターとして参加することで、仕事の流れ全体を体験できるような構成にしているそう。接点を増やすことで自社を好きになってもらうことはもちろん、学生もさまざまな側面から仕事とのマッチングを考えられるというメリットがあります。各プログラムの中で伝えたいことを明確に絞り、理解を促すことを意識しているそうです。

 

限られた時間や人員の中で、自社の特徴や魅力を伝えるインターンシップを開催するためには、インターンシップの目的を明確にし、伝えたいことにフォーカスした設計を考えることが重要です。学生にどんなことを感じてほしいかを追求し、「自社らしい」インターンシップを遂行している上記のような事例が、最近特に増えてきていると感じます。学生が企業を知り、魅力を感じる入口としてインターンシップの在り方を、いま一度ご検討いただけますと幸いです。

 

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ヒューマネージでは、毎月の採用動向をまとめた『Monthly HR AGE』を発行しています。2023年2月号は、2024シーズンのデータ分析や、特集「“定着”する人材の見極め方、惹きつけ方」、企業インタビューなど、より詳しいマーケット情報やお役立ち情報をお届けしています。レポートの詳細、ダウンロードは以下よりお願い申しあげます。

 

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出典:『Monthly HR AGE 2023年2月号』

Profile

永野 史彰Fumiaki Nagano

株式会社ヒューマネージ コンサルタント

慶応義塾大学卒業後、保証会社で勤務したのち、桜美林大学大学院心理学研究科で臨床心理学を専攻。2019年にヒューマネージに入社し、企業の採用活動や適性アセスメント、タレントマネジメントにおける統計分析業務やサービス開発に携わる。臨床心理士・公認心理師(国家資格)・産業カウンセラーの資格を保有。


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