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Marketing Magazine

【企業の動き】2024シーズン冬季インターンシップの動向をよむ

Published on 2022/12/02

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2024シーズンの本選考期も近づく12月。今回は2024シーズンの冬季インターンシップにおけるデータをもとに、最新速報をお届けします。

 

 

約7割の企業が選考直結型インターンシップを実施

 

選考直結型インターンシップの有無

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[算出方法]
i-webをご利用いただいている企業のうち、24・23シーズンに実施する冬季インターンシップにおける選考直結型インターンシップの有無が決定している企業様(予定含む)を対象とし、シーズン別の割合を算出

 

2024シーズンにおいて選考直結型インターンシップの有無を聞いたところ、実施するすべてのインターンシップが選考直結型である企業は37.5%(昨シーズン比▲0.7pt)、選考直結型インターンシップとそうではないインターンシップを両方行う企業は34.2%(昨シーズン比+0.6pt)、選考直結型インターンシップを一切行わない企業は28.3%(昨シーズン比±0pt)となりました。特に、大手人気企業や理系職種で実施されているケースが多く、複数日のプログラムで行われることが多いようです。早期から選考を見据えるマーケットの動きを考慮し、冬季インターンシップ以前から接点を持った応募者との関係育成に注力していく必要があると言えそうです。

 

受付方法は選考を行う企業が最多

 

受付方法

画像2

[集計対象]
i-webをご利用いただいている企業のうち、24・23シーズンの冬季インターンシップの受付方法が決定している企業様(予定含む)
[算出方法]
24・23シーズンの冬季インターンシップ受付方法のうち、いずれか1つでも該当する企業の合計を「100」として方法別の割合を算出

 

 

冬季インターンシップの受付方法をみると、応募段階で選考を行うインターンシップが60.3%で最多となりました。企業はある程度対象者を絞り、インターンシップを実施しているケースが多いことが窺えます。また、選考のうち面接を実施する企業が半数以上という調査もあり、本選考を見据えた接点として、インターンシップを活用している企業の意向が見受けられます。

 

 

選考が本格化する2024シーズン。さまざまな接点を組み合わせたアプローチを

 

今回の2024シーズン冬季インターンシップの調査では、インターンシップ期から選考を見据えて学生と関わりを持とうとする企業の動きが窺えました。選考が早期化し、企業と学生の継続的な接点が求められる中、インターンシップやその他のイベント、また情報発信を含めたさまざまな接点を有機的に組み合わせ、採用成果に向けた一貫性のある戦略がカギになると言えそうです。

 

例えば、インターンシップ参加者を選考につなげるために、選考がはじまるまでの期間、定期的にWebセミナーを開催しているケースがありました。インターンシップで体験した業務について社員のリアルな声を聞ける座談会を実施するなど、インターンシップに関連して理解をより深められるコンテンツが好評とのことでした。もちろんインターンシップに参加できなかった人も閲覧は可能で、ターゲットにあわせたプログラムを行いながら、間口は広く設けるよう工夫しているようです。他方、インターンシップに参加できなかった人限定でセミナーを配信している企業もあり、ここではインターンシップのおさらいやそれに関連する質疑応答の時間を多く設けているとのことでした。

そのほか、セミナーやイベントといった日程が限定される接点に限らず、コンテンツでの情報発信も効果的です。近年の内定者を対象とした調査ではプレエントリーや内定承諾の判断材料として、福利厚生や働き方を重視する割合が増えたという結果もあり、「配属地別の一日の流れ」「福利厚生や制度利用者の声」などをコンテンツ化し発信するなど、さまざまな側面から自社に興味をもつきっかけをつくることが重要と言えます。「どのような会社か」はもちろんのこと、「自分がどのような働き方をするのか」を就職活動の早期から考慮する学生が増えてきたいま、学生の知りたい情報をわかりやすく明示し、切り口を変えて伝えていくことが、応募者との長期的な関係育成につながっていきます。

 

そして、このようなコンテンツを発信する場として効果的なのがマイページです。マイページにさまざまな情報を載せておくことで、エントリー時期に関わらず全ての学生が情報をみることができるほか、確認したいときにいつでも見返すことができます。企業は、自社の情報を必要以上に隠したり、過度にアピールしたりするのではなく、フェアでオープンな情報提供をフラットな姿勢で行っていくことが求められているとも言えます。

 

選考が本格化する2024シーズン。母集団を募るのみならず、マイページをはじめとした情報発信や接点づくりを通して、応募者を惹きつけていく施策が引き続き重要と言えそうです。

 

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ヒューマネージでは、毎月の採用動向をまとめた『Monthly HR AGE』を発行しています。2022年11月号は、2023シーズンと2024シーズンのデータ分析や、特集「《続》学生動向と採用コミュニケーション ――2023内定者データより」、人材開発や組織開発の研修を手掛ける株式会社シェイク様インタビューなど、より詳しいマーケット情報やお役立ち情報をお届けしています。レポートの詳細、ダウンロードは以下よりお願い申しあげます。

 

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出典:『Monthly HR AGE 2022年11月号』

Profile

永野 史彰Fumiaki Nagano

株式会社ヒューマネージ コンサルタント

慶応義塾大学卒業後、保証会社で勤務したのち、桜美林大学大学院心理学研究科で臨床心理学を専攻。2019年にヒューマネージに入社し、企業の採用活動や適性アセスメント、タレントマネジメントにおける統計分析業務やサービス開発に携わる。臨床心理士・公認心理師(国家資格)・産業カウンセラーの資格を保有。


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