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【2023シーズン】プレ/本エントリーを分析する――全体、業種別の状況
採用広報解禁である3月1日を越え、各社本格的に選考が進んでいます。今回は、3月10日時点の学生の動きから、2023シーズンの傾向をみていきます。
プレエントリーは引き続き早期化の傾向
プレエントリー(マイページへの個人情報登録)の推移をみると、3月上旬時点で84.7%(昨シーズン比+7.8pt)と昨シーズンを上回るペースで推移していることがわかりました。他方、広報解禁時=3月上旬(3月1日~3月10日)のプレエントリーは24.1%(昨シーズン比▲1.0pt)となっており、早期化の傾向が引き続き強まっていることがみてとれます。
プレエントリー推移|全体
[集計対象]
22シーズン、23シーズンに『i-web』をご利用いただいている企業様
[算出方法]
対象企業各社の2021年(22シーズン)9月30日時点のプレエントリー数を「100」として、22シーズン、23シーズンの10日ごと(上旬・中旬・下旬)のプレエントリー数の割合を、全体、業種別にそれぞれ算出
・業種別:官公庁・各種調査機関の業種区分等を参考に11の業種に区分
業種別のプレエントリー状況をみると、多くの業種で昨シーズンを上回っており、業種を問わず早期からプレエントリーが増加している傾向が窺えます。「電気・電子・機械・自動車」が91.3%(昨シーズン比+18.2pt)でトップと、特に理系職種における早期化が色濃く反映されていることが推察できます。
プレエントリー推移|業種別(3月上旬時点の累計)
応募者の絞り込みが窺える本エントリー状況
次に、本エントリー(選考応募)の推移を見ると、3月上旬までの累計は41.0%(昨シーズン比+1.2pt)という結果になりました。その反面、3月上旬の本エントリーは16.3%(昨シーズン比▲1.6pt)と微減しており、この背景には、夏季インターンシップ参加をきっかけに、さまざまな情報を集めてきた応募者が、早期から企業を絞り込んでいる傾向が窺えます。最終的な本エントリーは、昨シーズンと比較して減少する可能性も考えられ、現に一部の企業からは「昨シーズンよりも本エントリーが減少した」という声も聞かれます。
本エントリー推移|全体
[集計対象]
22シーズン、23シーズンに『i-web』をご利用いただいている企業様[算出方法]
対象企業各社の2021年(22シーズン)9月30日時点の本エントリー数を「100」として、22シーズン、23シーズンの10日ごと(上旬・中旬・下旬)の本エントリー数の割合を、全体、業種別にそれぞれ算出(業種の詳細はプレエントリーを参照)
業種別では、下記のように業種によってばらつきの出る結果となりました。3月10日時点のデータのため、業界ごとの本エントリー締切のタイミングが影響しているほか、企業によっては昨シーズンの急激な伸びが落ち着いたという傾向もみられ、マーケットの流れや個社の状況などがそれぞれ反映された結果と考えられます。
本エントリー推移|業種別(3月上旬時点の累計)
選考が進む2023シーズン。入社を見据えた内定者フォロー設計を
プレエントリーの早期化と本エントリーの絞り込みが窺えた今回の分析。
来る2024シーズンではインターンシップ期から自社の魅力を継続的に伝え、本エントリー(選考応募)のきっかけ・決め手となる接点を重ねていくことが求められていると言えます。一方で、企業によっては少しずつ内定出しが進む2023シーズンにおいては、歩留まりを高めるため、選考中のフォロー、ひいてはその後の内定者フォローにも力を入れていく重要性が高まっていると言えそうです。
特に採用の早期化にともなって長期化する内定者フォロー期間は、入社に向けた準備期間としてますますその重要度を増しており、入社後を見据えた関係を構築するための施策が注目されています。コロナの時代となり、オンラインの内定者フォローには、可能な限り対面での接点も組み込んだ「ハイブリッド型」が広まっているほか、イベントや研修以外にもコンテンツやツールを通じたフォロー施策も必要とされています。内定者の「納得感を高め」、「不安を払拭する」ために、内定者向けイベントや研修、コンテンツなどを有機的に設計し、内定者のこれからの期待に寄り添ったコミュニケーションをとることが、最終的な採用成否を左右すると言えそうです。
ヒューマネージでは、毎月の採用動向をまとめた『Monthly HR AGE』を発行しています。2022年4月号は、2023シーズン学生の動き、特集『「未来視点」の内定者フォロー』など、より詳しいマーケット情報やお役立ち情報をお届けしています。レポートの詳細、ダウンロードは以下よりお願い申しあげます。
出典:『Monthly HR AGE 2022年4月号』