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新型コロナ時代の採用動向調査——21シーズンの傾向をよむ(面接~内定者フォロー)
新型コロナウイルスの流行は、2021卒(21シーズン)の新卒採用活動にも大きな影響を及ぼしています。スケジュール変更や選考のオンライン化など、さまざまな動きがみられましたが、実際に“どのような影響が”“どの程度あったのか”、データで見ていきたいと思います。今回は、面接のオンライン化、内定出し、内定者フォローの状況をお伝えします。(本記事の内容は2020年5月中旬時点のデータを元にしています)
一次面接をオンライン化した企業は8割、最終面接は異なる傾向
会社説明会シーズン直前(2月後半)から新型コロナウイルスの流行状況が深刻化し、合同企業説明会、学内セミナーが軒並み中止となるなか本格スタートした2021シーズン。多くの企業がオンラインへ移行した会社説明会と同様、一次面接においても84.8%の企業が実施方法を変更、そのうち96%の企業が、予定していたリアル(対面式)の面接をオンラインに移行していました。
一次面接の実施状況
一方、最終面接においては、2020年5月中旬時点で、変更を決定していた企業は42.7%、検討中の企業は45.5%という結果となり、一次面接とはやや異なる傾向がうかがえました。「最終面接は従来同様、対面式でおこないたい」という意向で、6月1日直前であっても、ギリギリまで調整を続けていた企業が多いことがわかります。
内定出しのピークは6月中旬。内定者フォローも多くがオンライン実施へ
内定出しの時期をみると、ピークは6月中旬(27.8%)となっており、次いで5月上旬以前(25.0%)となっています。実際に採用ご担当者のお話を伺うと、学生との接点が早期化していた影響で、コロナ禍においても、オンライン面接などを駆使しながら、5月以前に内定出しをおこなっていたケースも多くありました。他方、新型コロナウイルスの影響が深刻化するにつれ、対面式の面接ができるまで選考を一時中断したり、採用人数変更により内定出しをおさえたというケースもあり、各社の対応が分かれていたようです。
参考記事:新型コロナ時代の採用動向調査——21シーズンの傾向をよむ(採用プロセス・会社説明会)
内定出しの時期(ピーク)
また内定者フォローについては、7割以上の企業が変更を決定しており、そのうち90%の企業がリアルからオンラインへ切り替えていることがわかります。現状の収束目途がつかないこともあり、オンラインへの移行に積極的な企業の動向がうかがえます。
内定者フォローの実施方法
新型コロナウイルスの流行という不測の事態が襲った21シーズンの新卒採用。これまでになく不安定・不確定な状況下、多くの採用ご担当者が、ひとつひとつのプロセスについて検討し、さまざまな工夫を積み重ねて採用活動を進めてたことがデータからもうかがえます。また、オンラインによる採用活動へ積極的に移行した企業のなかには、リアルをオンラインに移行するだけにとどまらず、“オンラインだからこそできること”を実践していく積極的な動きも広がっています。オンライン採用は、いわゆるコロナ後においてもひとつの手段として活用されると考えられ、その可能性はますます広がっていきそうです。
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出典:『Monthly HUMANAGE REPORT 2020年6月号』
調査対象:採用管理システム『i-web』ご利用企業のうち、2020年5月中旬時点で2021卒の採用状況が判明していた企業
株式会社ディスコ キャリタスリサーチ 「速報版:キャリタス就活2021学生モニター調査結果(2020年7月発行)」