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【2023シーズン】採用終了時期、採用充足率からみる企業動向
2023シーズンの採用活動が佳境を迎え、2024シーズンに向けた動きも本格化していく6月。今回は、5月時点での採用終了時期と充足率のデータから、今後の施策を考えていきます。
採用終了時期、形式上はやや後ろ倒し傾向
まず、2023シーズンの企業の採用終了時期(予定含む)をみると、6月下旬時点での累計が69.2%(昨シーズン比▲1.6pt)となり、昨年と大きな変化はみられない結果となりました。一方で時期別にみると、6月下旬が23.3%(昨シーズン比+4.1pt)と最も多くやや後ろ倒しの傾向がみられます。しかし、企業の声をきいてみると、4月にピークに内定出しを行う企業が多く、内定辞退等に備えて、形式上の終了時期が後ろ倒ししている可能性も推察できます。
採用終了時期(予定含む)全体
[集計対象]
i-webをご利用いただいている企業のうち、23・22シーズンの採用終了時期が決定している企業様(予定含む)
[算出方法]
23・22シーズンの採用終了時期を集計して、各時期の割合を算出
大手企業を筆頭に充足を進める
次に採用充足率を文理別にみると、上記の結果となりました。大手企業を筆頭に充足を進めていること、特に理系職種においては、充足率が高く早期の選考による内定出しを行う企業も多いことが窺えます。
採用充足率|文系職種
採用充足率|理系職種
[集計対象]
i-webをご利用いただいている企業のうち、23シーズンの採用充足状況が判明している企業様
[算出方法]
5月上旬時点の採用充足率(辞退者を除いた採用数÷採用目標数)を集計し、母集団規模別(2021年(22シーズン)9月30日時点のプレエントリー数をもとに3つに区分)にそれぞれ割合を算出
入社意欲を高める内定者フォロー設計を
今回の調査結果では2023シーズン採用終了時期がやや後ろ倒しの傾向、大手企業を筆頭に各社内定出しを進めている様子が窺えました。
現時点で内定を出し終えた企業、本格的に内定出しを始めた企業、さまざまですが、企業によって内定出しの状況が異なるように、同じ企業であっても、応募者によってその内定時期(内定受諾時期)は異なるケースも多いことと思います。
理系では特に早期の選考で内定出しを行う企業が多く、内定者によって内定時期や会社に対する理解度が異なる中、誰も置いていかず、内定者が「もっと自社のことを知りたい」「入社するのが楽しみ」と思えるようなフォロー施策の重要性が示唆されています。
例えば、内定期間全体を通したフォロー施策の設計として、
①社員が参加した状態で、内定者同士が親睦を深める企画
②就業体験や現場見学など、自社への理解や仕事への期待を高める企画
③パネルディスカッションや座談会など、社員との縦のつながりをつくる社員イベント
④内定者同士で自由に連絡を取り合って遂行するプロジェクト課題
……といったように、徐々に段階を経て関係性を構築していく流れが一例に挙げられます。内定者ごとの理解度やロイヤルティの差に配慮しつつ、全員の入社後意欲を高めていくことがポイントです。
各社内定者フォローのフェーズに突入しつつある2023シーズン。内定者に入社へのワクワクを感じてもらえる内定者フォロー設計が求められていると言えそうです。
ご参考:『コロナ時代の内定者フォロー施策』についてお話いただいた株式会社セイル様のインタビュー記事はこちら
ヒューマネージでは、毎月の採用動向をまとめた『Monthly HR AGE』を発行しています。2022年6月号は、2023シーズン/2024シーズン企業の動き、特集「採用CXの現在地」など、より詳しいマーケット情報やお役立ち情報をお届けしています。レポートの詳細、ダウンロードは以下よりお願い申しあげます。
出典:『Monthly HR AGE 2022年6月号』