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企業の動き|2023冬季インターンシップ、半数の企業が12月上旬の実施を予定

Published on 2021/09/24

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2023シーズンの夏季インターンシップも終盤を迎え、来る冬季インターンシップに向けての動き出しが始まっています。今回は、2023インターンシップにおける企業の動きにフォーカスし、夏季・冬季の傾向をお届けします。

 

 

【夏季インターン】昨年より定員数・実施回数を増やした企業は全体の約3割

 

まず、2023シーズンにおける夏季(6月~9月)インターンシップの定員数と実施回数をみると、昨年より定員数を増加した企業は全体の35.5%、実施回数を増加した企業は28.8%となりました。このことから、夏季インターンシップを学生との最初の接点と位置づけ、間口を広げることで、その後の母集団形成につなげていきたい企業の意向が窺えます。また、多くの企業がオンラインのインターンシップを行った事で、会場費などのコストの観点から定員数や実施回数を増やしやすくなったことが推察できます。

 

2023シーズン夏季インターンシップ定員数(昨対比):左
2023シーズン夏季インターンシップ実施回数(昨対比):右

 

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[集計対象]
22シーズン、23シーズンにi-webをご利用いただいている企業のうち、夏季インターンシップを実施した(予定含む)企業様
[算出方法]
22シーズンと比較した23シーズン夏季インターンシップの定員数および実施回数について調査をし、回答別に企業の割合をそれぞれ算出

 

 

 

【冬季インターン】9割以上の企業がオンラインで実施予定。時期は昨年から前倒し傾向に

 

来る冬季(12月~2月)インターンシップの実施予定方法は、オンラインによる実施を予定する企業が76.3%と最も多くなりました。オンラインとリアルの併用を含めると、9割以上の企業がオンラインの利用を予定していることがわかります。2022シーズンと比較して大きく変化がみられないことからも、オンラインによるインターンシップの実施が定着していることがわかりますが、対面で実施する方針の企業も一定数あり、目的に応じてオンラインか対面かを選択していることが窺えます。

 

2023シーズン冬季インターンシップ 実施方法
※23シーズンの冬季インターンシップについては、実施予定を調査(以降の集計も同様)

 

画像2

[集計対象]
22シーズン、23シーズンにi-webをご利用いただいている企業のうち、2021年8月1日時点で、冬季インターンシップの実施方法が決定している企業様
[算出方法]
22シーズン、23シーズンの冬季インターンシップの実施方法を集計し、方法別に企業の割合を算出

 

また、2023シーズンにおける冬季インターンシップの実施予定時期は、12月上旬が最も多く、51.0%(昨対比+5.9pt)となりました。現時点(2021年8月1日)では、2022シーズンよりも早い時期の実施を予定している企業がやや増えていることがわかります。一方で、これから実施有無や時期を本格的に確定していく企業も多いことも推察され、年始の実施が増える可能性も考えられます。また実施期間については、2022シーズンと同様に1日開催を予定する企業が多い(インターンシップ実施予定企業の約8割)ことがわかりました。

 

2023シーズン冬季インターンシップ 実施時期

 

画像2

[集計対象]
22シーズン、23シーズンにi-webをご利用いただいている企業のうち、2021年8月1日時点で、冬季インターンシップの実施時期と実施期間がそれぞれ決定している企業様
[算出方法]
22シーズン、23シーズンの冬季インターンシップの実施時期および実施期間を集計し、時期別・期間別に企業の割合をそれぞれ算出

 

コロナ禍においても、目的に合わせた実施時期や方法の判断を

 

これまでのデータから、早期の接点としてインターンシップの重要性がますます高まり、オンラインの定着が進む中、より早くより多くの学生と接点を持ち、採用に向けた母集団形成を図ろうとする企業の動きが窺えました。

 

2023シーズンはリアルでやっていたものを単にオンラインに移行するのではなく、より自社独自の“らしさ”を伝えるための中身が問われる “活用フェーズ”に進んでいます。例えばある住宅メーカーでは、複数日にわたるインターンシップにおいて、実際の働き方を体験してもらうために、日によってリアル/オンライン/現場を使い分けていると言います。また、参加者本人の志向のみならず、居住地や状況にあわせて選択できるように、プログラムを複数設定し、リアルとオンラインの両方で開催しているケースもあるようです。精密機械や部品の実物を触ってもらうために、理系向けインターンシップはリアルで実施するなど、企業のこだわりが如実に表れている事例が多く聞かれるようになりました。

 

一方で、夏季インターンシップなど就職活動の入り口にあたるフェーズでは、就職活動支援として自己分析や業界理解を促すような、学生にメリットがあるプログラムで実施する場合は、オンラインに振り切って実施するなど、何が一番効果的か? を考えた使い分けが重要と考えられます。「インターンシップを通じて何を訴求したいのか」を明らかにし、その時々の状況を鑑みながら、目的に合わせた開催時期や方法の判断が求められていると言えそうです。

 

 

 


 

ヒューマネージでは、毎月の採用動向をまとめた『Monthly HR AGE』を発行しています。2021年9月号は、2023シーズンの企業・学生の動き、また「オンライン採用特集」などより詳しいマーケット情報をお届けしています。レポートの詳細、ダウンロードは以下よりお願い申しあげます。

 

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出典:『Monthly HR AGE 2021年9月号』

Profile

永野 史彰Fumiaki Nagano

株式会社ヒューマネージ コンサルタント

慶応義塾大学卒業後、保証会社で勤務したのち、桜美林大学大学院心理学研究科で臨床心理学を専攻。2019年にヒューマネージに入社し、企業の採用活動や適性アセスメント、タレントマネジメントにおける統計分析業務やサービス開発に携わる。臨床心理士・公認心理師(国家資格)・産業カウンセラーの資格を保有。


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