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【学生の動き】一般化が進んだ2023インターンシップ、理系学生で特に加速

Published on 2021/09/17

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2023シーズンのインターンシップも活況をみせ、多くの企業が早期から学生との接点づくりに注力しています。今回は2023シーズンのインターンシップにフォーカスし、学生の動きをお届けします。

 

 

文理共に6月上旬の動き出しは昨対比2倍以上。インターンシップのさらなる一般化が進む

 

まず、2023シーズンのインターンシッププレエントリー(インターンシップ向けマイページへの個人情報登録)状況をみると、8月上旬時点で文系では58.1%(昨対比約1.4倍)、理系では68.6%(昨対比約1.5倍)となりました。また、時期別でみると、文系、理系ともに6月上旬が22シーズンに比べ大きく増加しており、それぞれ22.7%(昨対比2.0倍)、28.0% (昨対比2.1倍)となっています。インターンシップのさらなる一般化が窺える結果となりました。

 

インターンシッププレエントリー状況の推移

 

画像1

[集計対象]
22シーズン、23シーズンにi-webをご利用いただいている企業様
[算出方法]
文理別に、対象企業各社への22シーズン(2021年)2月28日時点のインターンシッププレエントリー数を「100」として、
22シーズン、23シーズンの10日ごと(上旬・中旬・下旬)の文理別のインターンシッププレエントリー数の割合を算出

 

 

 

本エントリー状況は、理系学生の早期化が顕著に

 

続いて、2023シーズンのインターンシップ本エントリー(インターンシップへの応募)状況をみると、8月上旬時点で文系では53.7%(昨対比約1.0倍)、理系では72.3%(昨対比約1.5倍)となりました。理系の伸びについては、企業からは、昨年に比べオンラインでインターンシップを実施していたり、オリンピックの影響で実施時期を早めたといった声が多く聞かれました。また理系を時期別にみると、6月中旬が22.7%(昨対比5.2倍)と、昨年に比べ大きく増加していました。年々加速する理系学生の獲得激化により、理系学生向けのインターンシップに力を入れる企業が増加しており、それに呼応した学生の動きと見られます。

 

インターンシップ本エントリー状況の推移

 

画像1

[集計対象]
22シーズン、23シーズンにi-webをご利用いただいている企業様
[算出方法]
文理別に、対象企業各社への22シーズン(2021年)2月28日時点のインターンシップ本エントリー数を「100」として、
22シーズン、23シーズンの10日ごと(上旬・中旬・下旬)の文理別のインターンシップ本エントリー数の割合を算出

 

 

 

本エントリー率は昨年から横ばいの数字に

 

次に、2023シーズンのインターンシップ本エントリー率(プレエントリー数に対する本エントリー数の割合)をみると、全体は8月上旬時点で23.3%となりました。また文系は20.7%、理系は24.4%となりました。上記で掲載したインターンシッププレエントリーと本エントリーがどちらも昨年より増加していることで、全体および文理別で昨年から横ばいの数字となっています。

 

インターンシップ本エントリー率

 

22シーズン 23シーズン
全体 23.8% 23.3%
文系 20.9% 20.7%
理系 24.9% 24.4%

 

[集計対象]
22シーズン、23シーズンにi-webをご利用いただいている企業様
[算出方法]
対象企業の本エントリー率(インターンシップの本エントリー数をプレエントリー数で割ったもの)を全体、文系・理系別で企業ごとに算出し、
その合計を企業数で割り平均値をそれぞれ算出

 

 

インターンシップの本エントリー率は、企業のインターンシップに興味を持ってマイページへ登録した学生が、実際の参加にどのくらいつながっているか? を表す指標になります。『インターンシップの早期化』というマーケット全体の変化がある中でも、プレエントリー(企業への興味)が本エントリー(参加意欲)につながっている学生の割合は、昨年とほとんど変わっていないことが窺える結果となりました。

 

早期化が進み、採用活動/就職活動の当たり前となったインターンシップですが、オンライン化の影響もあり、参加に導く施策やフォローがさらに求められています。学生が「参加したい」と思うような自社らしいインターンシッププログラムの設計や定期的な告知、自社のインターンシップに参加するメリットを漏れなく伝達するなど、他社との差別化を図ることが有効と言えそうです。また、スタートダッシュに間に合わなかった学生向けに、秋にもインターンシップを開催するなど、タイミング良く母集団形成を図ることも重要です。今後はマイページを早期にオープンすることにとどまらず、その後の活用や学生への継続的なアプローチがより重要になってくると考えられます。

 


 

ヒューマネージでは、毎月の採用動向をまとめた『Monthly HR AGE』を発行しています。2021年9月号は、2023シーズンの企業・学生の動き、また「オンライン採用特集」などより詳しいマーケット情報をお届けしています。レポートの詳細、ダウンロードは以下よりお願い申しあげます。

 

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出典:『Monthly HR AGE 2021年9月号』

Profile

永野 史彰Fumiaki Nagano

株式会社ヒューマネージ コンサルタント

慶応義塾大学卒業後、保証会社で勤務したのち、桜美林大学大学院心理学研究科で臨床心理学を専攻。2019年にヒューマネージに入社し、企業の採用活動や適性アセスメント、タレントマネジメントにおける統計分析業務やサービス開発に携わる。臨床心理士・公認心理師(国家資格)・産業カウンセラーの資格を保有。


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