Marketing Magazine
【2025シーズン】企業の内定者フォロー/充足状況
RECRUITMENT
多くの企業が2025シーズンの選考を終え、内定者フォローに注力するフェーズに入りました。今回は2025シーズンの内定後のフォロー、内々定充足状況について企業の動向をお届けします。
内定式後に接点をもつ頻度は「2、3カ月に1回程度」が半数近く
内定式後に接点をもつ頻度
[集計対象・算出方法]
i-webをご利用いただいている企業のうち、25シーズンの内定式後に接点をもつ頻度が決定している企業様を対象とし、頻度別の割合を算出
まず内定者フォローの動向をみていきましょう。内定式後に接点をもつ頻度は「2、3ヶ月に1回程度」が48.4%と最も多くなっています。これらの企業に話を伺うと、懇親会やイベントを中心に内定者とコンタクトをとっているケースが多く、月に数回フォローしているという企業では、コンテンツ発信も含めた接点を設計しているようです。
内々定充足率は昨シーズンと比べると全体的に低い
内々定充足状況|文系職種
内々定充足状況|理系職種
[集計対象・算出方法]
i-webをご利用いただいている企業のうち、25シーズンの内々定出しが判明している企業様を対象とし、7月末日時点の採用充足率(内々定を出した人数[辞退者除く]÷採用目標人数)を文理職種ごとに集計して、全体、企業群別にそれぞれ算出
〇企業群別:以下の4つに分類
・カテゴリーⅠ:2023年4月発表のキャリタス就活就職希望総合ランキング200位以内の企業群
・カテゴリーⅡ:2023年(24シーズン)9月末日時点のプレエントリー1万名以上、かつランキング外の企業群
・カテゴリーⅢ:同5000名以上1万名未満、かつランキング外の企業群
・カテゴリーⅣ:同5000名未満、かつランキング外の企業群
続いて7月末日時点の内々定充足状況について、昨シーズンと比較すると、全体的に充足率が低くなっています。例えば、文系職種の充足率100%以上の企業は全体で47.2%にとどまり、昨シーズン全体の参考値である70.5%を大きく下回っていることがわかります。要因の一つとして、カテゴリーⅠの企業では採用人数を増やしたケースも多く聞かれ、充足率に影響していることが考えられます。カテゴリーⅣでは、文系職種の充足率100%以上の企業が39.0%にとどまり、苦戦を強いられている様相です。2025シーズンの着地が見えてきた中、学生の辞退が増加していることがわかります。
◆◆◆
上記の調査より内定式後にも定期的に接点を持とうとする企業の動きや、内々定充足状況は昨年と比べてやや苦戦している様子が窺えました。
予定していなかった追加選考の実施に向けて、プレエントリー後未アクションの学生にアプローチを試みる企業や、来シーズンの採用、キャリア採用への注力に方向転換するという声も聞かれます。引き続き入社までのフォローも、例年以上に丁寧に行っていく必要があると言えそうです。
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ヒューマネージでは、毎月の採用動向をまとめた『Monthly HR AGE』を発行しています。2024年9月号は、2025シーズン本選考/2026シーズンインターンシップ動向、特集『タレントプールの現在地』、企業インタビューなどより詳しいマーケット情報やお役立ち情報をお届けしています。レポートの詳細、ダウンロードは以下よりお願い申しあげます。
出典:『Monthly HR AGE 2024年9月号』
Profile
池尻 亮介Ryosuke Ikejiri
株式会社ヒューマネージ コンサルタント
信州大学卒業後、東京学芸大学大学院にで心理学を専攻。その後、政府機関における学力調査等の分析に従事。ヒューマネージ入社後は、採用活動に関する企業動向を中心としたデータ分析・統計の業務を主担当とし、企業の支援を行っている。