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【2025シーズン】内々定辞退状況/最終選考終了予定時期

RECRUITMENT

Published on 2024/08/23

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2025シーズンも大詰めを迎え、2026シーズンに向けて動き始めた企業も増えてきました。今回は6月末日時点のデータから、2025シーズンの選考終盤の学生と企業の動きについて見ていきます。

 

内々定辞退、昨シーズン比で苦戦傾向

内々定辞退率|文系職種

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内々定辞退率|理系職種
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[集計対象・算出方法]
i-webをご利用いただいている企業のうち、25シーズンの内々定辞退状況が判明している企業様を対象とし、6月末日時点の内々定辞退状況(内々定辞退者数÷内々定を出した人数)を文理職種ごとに集計して、全体、企業群別にそれぞれ算出
〇企業群別:以下の4つに分類
・カテゴリーⅠ:2023年4月発表のキャリタス就活就職希望総合ランキング200位以内の企業群
・カテゴリーⅡ:2023年(24シーズン)9月末日時点のプレエントリー同1万名以上、かつランキング外の企業群
・カテゴリーⅢ:同5000名以上1万名未満、かつランキング外の企業群
・カテゴリーⅣ:同5000名未満、かつランキング外の企業群

 

まず、2025シーズンの内々定辞退率(全体)を昨シーズンの値(参考値)と比較すると、文理ともに内々定辞退率50%以上の企業が増加しているなど、全体的に苦戦していることがわかります。カテゴリー別にみると、人気企業以外のカテゴリーで、辞退率が高い企業が増えていることが窺えます。

 

この背景には、人気企業の採用人数の増加や、学生の大手志向が強まっていることが考えられます。近年は、辞退を見越して多めに内定を出す企業や、人材紹介会社を駆使する企業など、企業規模を問わず、さまざまな戦略で採用人数の確保に取り組んでいるケースがよく聞かれます。インターンシップ期や選考中から、自社ならではの魅力を正しく伝え、応募者にとっての「第一志望」を目指す重要性は増していると考えられます。

 

 

3月末日時点と比べて最終選考終了時期が遅くなった企業は約3割

最終選考終了時期の変化(3月末日時点と6月末日時点の比較)

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[集計対象・算出方法]
i-webをご利用いただいている企業のうち、25シーズン3月末日時点・6月末日時点での最終選考の終了時期が判明している企業様(予定含む)を対象とし、時期別の割合を母集団規模別に算出し、企業ごとに時期の差を求めてその割合を算出。
〇母集団規模別:2023年(24シーズン)9月末日時点のプレエントリー数をもとに、1万名以上/1万名未満に区分

 

最終選考の終了時期について3月末日時点と6月末日時点の比較をみると、3月末日時点から変化なし(計画通り)がほとんどである一方で、3月末時点の想定と比べて終了時期が1カ月以上遅くなった企業は、母集団規模1万名以上では16.7%、母集団規模1万名未満の企業では29.2%にのぼります。意図的に終了時期を遅らせている企業は少なく、十分な採用数を確保できずに、選考を継続している企業様が多いようです。

 

◆◆◆

 

今回の2025シーズン本選考の調査から、内々定辞退率は昨年より全体的に悪化傾向にあることや、十分な採用数を確保できずに、選考を継続している企業も一定数いることが窺えました。

 

辞退防止のために、このフェーズで特に伝えるべき情報として挙げられるのが、福利厚生や制度です。最近はいわゆる「オヤカク」を意識した保護者向けコンテンツを発信する企業も増えてきました。また、今後は辞退した学生を将来の採用につなげるためのタレントプールの取り組みもさらに広がっていくでしょう。

 

採用活動の難化・長期化が加速した2025シーズン。
マイページ等でのコミュニケーションを継続しながら、長期戦を勝ち抜くアプローチ施策を検討すべきタイミングとも言えそうです。

 

最新の採用ご担当者インタビューはこちら:

・リアルイベント+マイページで志望度をUP。伊藤忠都市開発が実現した「過去最高」の採用とは(伊藤忠都市開発株式会社)

・顔写真なし、服装自由……学生の負担を減らし公平を期す 朝日新聞の採用ポリシー(株式会社朝日新聞社)

・コース別採用の導入で専門性と多様性を身に付けるキャリアを訴求。転換期を迎えたキリンホールディングスの採用戦略。(キリンホールディングス株式会社)


ヒューマネージでは、毎月の採用動向をまとめた『Monthly HR AGE』を発行しています。2024年8月号は、2025シーズン本選考/2026シーズンインターンシップ動向、特集『手軽に実践!「軽やかに」行う採用振り返り分析』、企業インタビューなどより詳しいマーケット情報やお役立ち情報をお届けしています。レポートの詳細、ダウンロードは以下よりお願い申しあげます。

 

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出典:『Monthly HR AGE 2024年8月号』

Profile

池尻 亮介Ryosuke Ikejiri

株式会社ヒューマネージ コンサルタント

信州大学卒業後、東京学芸大学大学院にで心理学を専攻。その後、政府機関における学力調査等の分析に従事。ヒューマネージ入社後は、採用活動に関する企業動向を中心としたデータ分析・統計の業務を主担当とし、企業の支援を行っている。


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