Marketing Magazine
【企業の動き】3月10日時点で、3社に1社が内定出しを開始。早期化が進む22シーズン傾向
新型コロナウイルスの影響が続く2022年卒新卒採用(22シーズン)は、さらなる早期化が進んでいます。今回の「マーケットをよむ」では、企業動向のデータから、22シーズンの傾向についてお届けします。
およそ4割の企業が2月以前に初回の選考を開始
まず、22シーズンの本エントリー初回締切時期をみると、「~2月以前」が21シーズン比で増加し、3月中旬以降は減少傾向となりました。夏季・冬季インターンシップの活況により、参加者に向けた早期ルートを設けるなど、企業は早い段階で学生を選考へと呼び込んでいることが窺えます。
本エントリー初回締切時期(全体)
(対象)
i-webを継続利用いただいている企業のうち、22シーズンに本エントリーを受け付けている企業
(算出方法)
①対象企業各社の本エントリー締切(1回目の締切)時期(毎月上旬・中旬・下旬)を調査
②当該時期に本エントリーの締切を設けている企業の割合を算出
(注)22シーズン3月中旬以降の値は、i-webに設定済みのデータを集計
また、本エントリーの前段階であるオープンセミナーについては、3月以中旬時点で昨シーズン比0.8倍(-9.7pt)となりました。ここからも、企業は早くから選考へと軸足を移し始めていることがわかります。
オープンセミナー開催時期(全体)
(対象)
i-webを継続利用いただいている企業のうち、22シーズン、または21シーズンにオープンセミナーを開催した企業
(算出方法)
①対象企業各社のオープンセミナー開催状況(毎月上旬・中旬・下旬)を調査
②当該時期にオープンセミナーを開催している企業の割合を算出
(注)22シーズン3月中旬以降の値は、i-webに設定済みのデータを集計
3月上旬時点での内定出しは3割前後。理系職種で特に加速
22シーズンの3月上旬時点の内定出し状況をみると、「文系職種」では約4分の1の企業で、
「理系職種」では約3分の1の企業で、既に何らかの職種で内定を出していることがわかりました。特に理系では、特定の職種(博士採用など)で早期の採用が行われているほか、近年の理系人材獲得の競争激化により、各社早期からアプローチしていることが窺えます。
文理職種別内定出し状況(全体)
(対象)
i-webを継続利用いただいている企業のうち、22シーズンの3月10日時点で「文系職種」「理系職種」それぞれに内定出しを行っている企業
(算出方法)
①対象企業各社の「文系職種」「理系職種」別の内定出し状況(3月10日時点で内定を出した・出していない・各該当職種なし)を調査
②該当職種がない企業を除き、内定を出している企業の割合を算出
全体的な傾向として、母集団に対して採用予定人数が多い、他社との競争が激しいなど、その企業にとって採用難易度が高い属性に対して、特に早い段階での働きかけを行っていることが推察されます。
学生と企業の接点は、早期化・長期化の傾向に。応募者フォローの重要性
2月以前に本エントリー初回締切を設けた企業が増えたこと、3月上旬時点で内定出しを行っている企業が一定数あることから、企業と学生が初めて接点を持ってから内定~入社までの期間が長期化していることが窺える結果となりました。選考中から応募者を惹きつけ、内定者フォローにつなげていく重要性が高まっていることがわかります。
選考中の惹きつけとして、面接や適性検査のフォロー面談やメッセージを通じた個別の働きかけが挙げられるのはもちろん、マイページを介したWebコンテンツでの定期的な接点も重要です。たとえばWebセミナーにおいては、学生側も視聴の環境に適応し、意欲をもって積極的に参加できている、という声を多く聞きます。選考が進んだ学生向けに、より深い企業理解を促すセミナーを配信したり、内定者との配属希望面談前に、各事業部や部署の働き方を紹介する機会を作ったりなど、時期にあわせて活用するとともに、告知ページやマイページからの導線を工夫するなど、ターゲット層に確実に視聴してもらう工夫も有効と言えそうです。
選考中や内定者期間にマイページを通じて新しい情報が届くことは、「もっと知りたい」という企業への興味と期待感を増幅させるとともに、理解を促進する重要なアプローチです。選考中は会社を好きになってもらうステップとして、内定者フォローでは会社をより理解し、入社へのワクワク感をより引き上げ、学生の期待や不安に寄り添う期間として、WebセミナーやWebコンテンツの活用を検討いただければと思います。
ヒューマネージでは、毎月の採用動向をまとめた『Monthly HR AGE』を発行しています。2021年4月号は、3 月10日時点における222シーズンの企業動向取り纏めました。レポートの詳細、ダウンロードは以下よりお願い申しあげます。
出典:『Monthly HR AGE 2021年4月号』