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【最新動向】インターンのカギは「体験価値」にあり——22シーズンインターンを振り返る

Published on 2021/01/22

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ここ数年、実施企業数、応募人数とも増加傾向にあるインターンシップ。2022年卒の大学生、大学院生を対象としたインターンシップについて、12月上旬時点の最新データをお届けします。

 

 

プレエントリー人数は、昨シーズン比1.4倍。インターンシップの一般化が顕著

 

22シーズンのインターンシップのプレエントリー人数(インターンシップに個人情報登録をした人数)は、12月上旬時点で昨シーズン比1.4倍となりました。8月中旬時点には、1.35倍だったことを考えると(参考記事:【学生の動き】2022卒向け 新型コロナ時代の最新インターンシップ動向)、就職活動の本格化に向けてさらに学生側の意識が高まっていることがうかがえます。

 

22シーズンインターンシッププレエントリー人数の推移

画像1

(対象)
採用管理システムi-webを21シーズン、22シーズン継続利用いただいている企業のうち、21シーズン、22シーズンともにi-webでインターンシップを受け付けている企業
(算出方法)
①対象企業各社の21シーズン(2020年)2月28日時点のプレエントリー人数を「100」として、21シーズン、22シーズンの10日ごと(上旬・中旬・下旬)のプレエントリー人数の割合を算出(企業ごと)
②①の合計を企業数で割り、平均値を算出

 

また、昨年(21シーズン)のプレエントリー人数(12月上旬時点)は、その前年(20シーズン)の1.3倍となっていたことから、インターンシップにプレエントリーする学生は年々増加しており、学生にとってインターンシップが身近なもの・一般的なものになっていることがわかります。特に「7月上旬」「11月中旬」のプレエントリーが伸びており、それぞれ夏季/冬季のインターンシップへ向けた動きが活発化したものとみられます。

 

 

本エントリー人数は、昨シーズン比2.0倍と大幅に増加

 

次に、インターンシップの本エントリー人数(インターンシップの選考に応募した人数)をみると、12月上旬時点で昨シーズン比2.0倍となりました。6 月上旬以降いずれの時期も一貫して伸びており、インターンシップ参加への高い意欲がうかがえます。

 

22シーズンインターンシップ本エントリー人数の推移

画像1

(対象)
採用管理システムi-webを21シーズン、22シーズン継続利用いただいている企業のうち、21シーズン、22シーズンともにi-webでインターンシップを受け付けている企業
(算出方法)
①対象企業各社の21シーズン(2020年)2月28日時点の本エントリー者数を「100」として、21シーズン、22シーズンの10日ごと(上旬・中旬・下旬)の本エントリー者数の割合を算出(企業ごと)
②①の合計を企業数で割り、平均値を算出

 

また、上記より、本エントリー率(プレエントリー者数に対する本エントリー者数の割合)は、約25.1%(+1.9pt)となりました。学生の動向はインターンシップへの興味だけで終わらず、実際に参加することへの意欲が高まっていることがわかります。

 

21シーズン 22シーズン
23.2% 25.1%

 

「参加してよかった」と思わせるインターンシップかどうか?
印象に残るプログラムにするには

 

インターンシップのオンライン化により、地方在住の学生をはじめとして全体的に“インターンシップに参加しやすくなった”22シーズン。コロナ禍による雇用情勢の陰りも後押しとなり、学生はこれまで以上に多くの企業と接点を持っていると考えられます。それにともない一社ごとの関係性が希薄になってしまう懸念がある中で、「インターンシップに参加したい」~「その後の選考にも参加したい」と思わせるためには、会社説明/事業説明にとどまらない、“学生目線”の施策が重要となってきています。

 

たとえば、ある企業では学生の志望度やニーズに合わせて、業界理解を深めたい人向けには「業界研究セミナー」、すでに志望業界を絞っている人に対しては必要なスキルや考え方を伝える「職種別セミナー」など複数のテーマのワークショップを用意し、参加した学生の満足度を上げる工夫をしていました。

 

中でも自己分析をテーマにした回では、事前に適性検査を受験してもらい、強みや弱みなどをフィードバックした上で、その会社のどの職種で活躍できそうか、という目線で仕事の流れを紹介することで、自社への興味促進と就職活動支援を両立しているとのことでした。学生に「この会社の、このインターンシップに参加してよかった」と価値を感じてもらうことがおのずと次のアクションにつながり、さらには口コミという形で友人・後輩への効果も期待できます。

 

インターンシップが活況となり、多くの企業が実施しているからこそ、プログラムの工夫が成果を左右するといえます。オンラインの利点を生かすことはもちろん、応募者に自社を通してどのような体験をしてほしいのか、それに本当に価値を感じてもらえるのか、といった「体験価値」にフォーカスを当て、接点を設計することの重要性が高まってきていると考えられます。そしてこの考え方は、「会社説明会」「面接」「社員によるフォロー(座談会、メンター等)」「内定者フォロー」といった、採用活動のいずれのフェーズにおいても応用できるといえそうです。

 


 

来る23シーズンに向けたオンラインインターンシップに関する情報は、以下記事もご参考ください。

 

 

出典:『Monthly HUMANAGE REPORT 2021年1月号』


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